第9話 オーバーワーク その2
第九話
「ん〜ふわぁ〜。あれ?知らない天井……じゃない大学時代一人暮らししてた部屋だ。え?」
僕が覚えてるのはレッスンの日程に限界を感じて今度母さんに話して組み直そうって考えたところまでで……。あの後倒れたのかなぁ。そうだとしても今の状況の説明がつかない。
とりあえず現状を整理するか。まず、起きたら大学時代一人暮らししてた部屋にいた。身体に異常は……ってあれ?大学時代の身体に戻ってる?性別も……
え?これは夢?それとも今までのが全部……夢?う、嘘だよね。やり直したからには全力で努力すると決めた日の決意も!母さんとの時間も!努力で手にした技術も!全部夢の中の話ってこと?嘘だよねぇ!そんな、そんなことって……。
でも朝起きたら僕が四歳の頃でしかも女の子の世界線にいて、また元の時間に戻ってきたてっていう話より全部夢だったっていう話の方が確率が高い……。つまりは全部僕の妄想?いやだ!そんなのは断じて認めない!
認めなくないけど、実際に今いるのは僕が大学生だった頃だ。僕も本当は分かってる。性別が変わって、しかも過去にも戻る。そんなことはありえないって……。それでも!あの時間が無駄だったなんてことは絶対にない!あの時間があったからこそ今があると胸を張って言えるように!僕はあの
まぁ決意はしたけど、とりあえずはバイトだな。金がなきゃ何もできん。生活費分は仕送りがあるから奨学金もとりあえず借りるだけ借りて使ってないからそこそこ貯金はあるはず。どのくらい通帳が貯まっていってるかもそれで足りるかも分からないからな。それに、目的に使える金は多いに越したことはない。
何のバイトしよう……。あ!配信事務所に入れれば諸々のお金浮くんじゃ!お金も稼げてレッスン代も浮く!それに自分の技術が世間からどう評価されるかを知るいい機会にもなる。顔出ししたくないからとりあえずVTuber事務所のオーディション調べて応募しよ。
今時期結構オーディションやってるなぁ〜。う〜ん……どれにしようかな。あ、ここいいじゃん!未経験歓迎だって!経験者の方が色々楽でコスパもいいだろうに未経験者のサポートもしてくれるのか。まぁ事務所としてかなり大手だし倍率高いんだろうけど応募するだけしてみるか!
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「な、なんか通ってる。面接は再来週かぁ〜。ほんとに書類選考通るなんてなぁ〜。絶対落ちたと思ってた。だって大手だよ?ぶっちゃけ未経験歓迎とか言ってるけど、どうせ経験者ばっかりを採用するんだろうなって思ってたよ!だってその方が都合いいじゃん!ま、まぁでもまだ面接控えてるし……。そこで巷でよく聞くお祈りメールってのが来るんだよね?でもまぁ、ここまできたらこの事務所でデビューしたいな。」
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