第10話 休養と野心
「今日はもう疲れたから寝るか。おやすみなさ〜いり。」
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「ふわぁ〜ん〜むにゃむにゃ……。ん〜?あ、いつもの天井だ…………いつもの天井か。」
"ポクポクチーン"この間三秒。
状況を理解するのに時間かかりすぎである。
「え?いつもの天井!?つまりえ〜っとどういうことだ?あれか!さっきまでのは夢ってことか。良かったぁ〜再スタートをしてるしある意味ではリスタートかもしれないけどTSものってキャッチコピーにも書いてあるのに景品表示法違反になっちゃうよ!知らんけど。」
まぁ冗談はさておき倒れちゃったから心配かけてるだろうな。ここで大学生だの過去にだの言ってたらもっと心配させちゃうからこれは心の中に留めておこう。とりあえず当分の間は休養か。何して時間潰そうかな。夢の中でも考えてたけど配信もやってみたいし、勉強がてら一度色々動画見てみるべきかもね。今世じゃバタバタしてたから娯楽にはあんまり触れてなかったし。
"ガチャッ!"
「あ、母さんおはよぉ〜。心配かけちゃったよね、ごめんなさい。これからなんだけど、一回休暇を挟んでからいろいろ考えたいな。」
『わかったよ。でも休暇の期間はお母さんが決めるからね!』
正直この決定を委ねたら今回の件で過剰に心配した母さんが休暇を必要以上に長くしそうで心配だけどやむを得ない……か。
「は、はい……。」
『休暇は二週間とする。』
長いけど想定内だな。家でまったり過ごすにしてもやっておきたいことがいろいろあるからまた後で頭の中整理しないと……。
「わかった!二週間だね。ヨウチューブとかアニメが見たいんだけど、それはいい?」
『それはいいよ、さすがにそれを取り上げて二週間家に閉じ込めるのは酷だからね。』
「ありがとう母さん。お絵描きとお歌もいい?」
『いいよ。それじゃゆっくり休むんだよ。』
よし、あえて幼い言葉使いをして誤魔化す作戦は成功だね!歌ってそれのMIXとか諸々の編集の練習をやろうかな。配信に興味あるし家で自分の時間がある時にしかこういうのは出来ないからさ。
「うん。」
あとは四歳っていう立場上顔出しでの配信はたぶん認められない。なら選択肢は一つ!立ち絵を用意するしかない!それを自分に合わせて動かせればなおよしだけど、それはさすがに難しいよね。それはそのうち挑戦するとしても今はいいかな。依頼って選択肢もあるけど依頼するにしてもどういう風にしたいのかを明確にするためにも一度下手でも描いてみたいんだよね。それにイラストは武器になる。
あとは休み明けどうするかだよね。一応配信の相談をして、あと習い事の頻度も落とすことも言わなきゃね。配信に関しては習い事の自主練の様子を垂れ流す形でもいいし、そうすれば負担も減らせる。配信も何故かある地下の防音室でやればいいし、ゲーム配信をしたい訳じゃないから配信機材のスペックも大して必要じゃない。
僕の一番最初に決めた目標は、有名になること。その目標を掲げている僕にとってこの時代に生きていることは幸運だ。外部に発信するツールが無数にあるから。なら利用するしかない。
それに別に発信内容が完璧でなくてもいい。なぜなら今の僕は四歳児。多少の粗は幼い子供の精一杯の頑張りという配信内でのいいアクセントになる。それも利用してやろう。それに子供の努力とか成長記録みたいなほっこりする話は好きだろ?
使えるものは全て使う。今回の人生で僕は人事を尽くす。そして、天命を待つ。使えるものを全部使ってなきゃ人事を尽くしたなんて言えないだろ?それに、せっかくの二度目人生だ。他とは違う特別な生き方しねぇともったいねぇだろ?
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