閑話 とある父親
「俺はもう帰る!あとはお前に任せた。会社が大きくなるのは良いことなんだが忙しすぎる!愛娘の顔を見ないとやってらんねぇよ!!」
「あんた自分の立場分かってんのか!?お前俺らの上司だろ!てか社長だろ!部下に仕事押し付けて昼間っから帰んな!」
「知らねぇよ!そもそもお前も幹部だろうが!お前らが勝手にプロジェクト進めるから悪いんだろ!面白けりゃ別に何しても構わねぇけど仕事はやれ!ったくここまで手伝ってやってんだからありがたく思いやがれ!」
「手伝ったって言ってもそれあんたの決裁が必要な書類でしょうよ!」
「知らん!お前らが仕事増やすのが悪い!何年この仕事やってんだよ!俺はもう帰るからな!」
「てかこの後も仕事あるでしょ!先々週くらいにアポ取りきた娘の……」
「専務のお前がやりゃいいだろ!社長は不在だから代わりにって形でさぁ!」
「あいつらが珍しくちゃんとアポ取ってきたんだからやれよ!それに対応したのあんただかんな!やれよ?ちゃんと!そもそもあんたが取ってくる仕事が多すぎてこんな状態になってんだぞ?」
「別にいいだろ!ギリギリこなせる塩梅で仕事振ってるんだからさ!本来ならうち残業ゼロのホワイト企業なんだよ?それをお前らが仕事増やすせいで……部下が泣くぞ?どうすんのさ通報されでもしたら!現状見られたら一発アウトだぜ?」
「大丈夫だって!全員が勝手に仕事増やそうとして何とか減らして現状だから。あいつら勝手に仕事増やしていっぱいいっぱいなってるだけだか。」
「いや、ダメだろ!でもなぁ……あいつら帰らないんだよなぁ。休めって言っても休まないし……いっそあいつらを社長命令で手ぶらで熱海の温泉旅館にぶち込むか?」
「それこそアウトでしょ……。あ、そうそう!募集の件、結構面白そうな子たちが集まってるよ。もうすぐ締切でそのあとデビューかぁ〜。早いもんでもう次が7期生。うちも大きくなったよなぁ〜。」
「だから、それが今の最重要項目なわけ!3Dとかライブとかグッズはそのあとでいいの!」
「後回しなんて良くねぇよ!あいつらも悲しm……」
「元々もう少しあとの予定だったのにどっかの誰かが予定を巻かせたんだよ!」
「チッ……」
「とりあえず俺は帰るから!!娘が待ってる!姪っ子も家に来てるらしいし顔出しときたいから。」
「全く、責任感ってもんが……」
「お前が言うな!」
「うっせぇ!俺んとこは粗方終わったんだよ!」
「九条専務、この書類の決裁お願いします。」
「わかった、やっとくよ。はぁ……仕事すっか。」
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