第4話 異次元トラブル
「モグ、どうしたの…?」
桜は心配そうにモグを見つめた。文化祭のドタバタ騒動から数日が経ったが、モグの様子がなんだかおかしい。いつも元気で、何でも食べたがる彼が、今日はじっと部屋の隅で動かない。さらに、モグの体から微かに異次元の光が漏れ出しているのが見えた。
「異次元と繋がり始めてる…?」
桜は不安を感じながらも、モグの様子を注意深く観察した。どうやら異次元側で何かが起こっているらしい。モグが異次元から来た生き物であることは分かっていたが、その世界で何が起こっているのか、桜には知る術がない。
「どうしよう…」
桜は考え込んだ。もしモグがこの世界にいられなくなったらどうしよう?異次元に強制的に戻されるかもしれないし、さらに悪いことが起きるかもしれない。
その日の放課後、桜は学校の裏庭に向かった。モグが最初に現れた場所で、何か手掛かりが得られるかもしれないと思ったのだ。そこにはかすかに残っている異次元の裂け目があった。光は弱まっているものの、まだ完全には消えていないようだ。
「ここで何かが起きてる…」
桜は裂け目に近づき、手を伸ばそうとしたが、その瞬間、裂け目が不意に広がり始めた。桜は驚いて後ずさる。
「ちょっと、これヤバいんじゃない?」
異次元の力が再びこの世界に溢れ出してきている。裂け目の向こうには、モグたちが暮らしていた世界が広がっているようだ。しかし、そこには不安定なエネルギーが満ちていて、今にも崩壊しそうな雰囲気を感じ取ることができた。
「モグが元気ないのは、これが原因なのかも…」
桜はそう確信した。モグたちの異次元で何か重大なトラブルが発生しており、その影響がこちらの世界にも及んできている。モグだけでなく、他の仲間たちも元気がなくなってきているのが目に見えてわかる。
「どうにかしないと…」
桜は裂け目をじっと見つめ、何か解決策を考えなければならないと強く感じた。今は、モグたちをこの世界に留めるのではなく、異次元の問題を解決しないといけないのかもしれない。
「よし、まずはモグと話そう…」
桜は決心してモグの元へ戻り、彼を元気づけるために色々と考え始めた。異次元のトラブルを乗り越え、モグたちを救うためには、桜の行動が重要になることをまだ彼女は知らない。
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