第2話 学校の裏庭に次元の穴
「え…やっぱり、異次元の裂け目が残ってたんだ…」
桜は学校の裏庭で目の前に広がる不思議な光景に言葉を失った。何気なく歩いていたはずの地面に、ふわりと光る裂け目が現れていた。それはまるでモグが現れたときと同じような異次元の裂け目だった。
「これって…危なくないのかな?」
裂け目の周りには、モグとその仲間たちが嬉しそうに跳ね回っている。彼らにとっては、元の世界と繋がる入口なのかもしれないが、桜にとっては厄介なことこの上ない。学校でこんなものが見つかってしまったら、先生や生徒たちに大騒ぎされることは間違いない。
「どうしよう…」
桜はしばらく裂け目を見つめながら悩んでいたが、すぐに決断した。まずはモグたちをその裂け目に近づけないようにしなければならない。何が起こるかわからないし、彼らが裂け目を拡大させたり、また新しい仲間が現れたりするかもしれないからだ。
「モグ、ちょっとこっち来て!」
桜が声をかけると、モグは楽しそうに跳ねながら桜の元へやってきたが、その仲間たちは相変わらず裂け目の周りをウロウロしている。まるで何かを探しているかのようだ。
「え、ちょっと待って…あれ、何か出てきてない?」
桜が驚いて裂け目をよく見ると、小さな光の粒が裂け目から舞い上がっている。しかも、その光は少しずつ大きくなっていくように見えた。
「うそ…また何か来るの?」
その瞬間、光の粒が一つの塊となり、次の異次元生物が姿を現した。モグと同じようにフワモコの耳を持つが、体は少し大きめで、ピンク色の毛並みが特徴的だ。その生き物は、じっと桜を見つめたあと、いきなりピョンと跳び上がり、モグたちの仲間に加わった。
「も、もう一匹増えた!?」
桜は呆然としながらも、これ以上の騒動を防ぐために、急いでモグたちを裂け目から引き離そうとする。しかし、その間にも裂け目は少しずつ広がっているように見えた。
「どうしよう…このままじゃどんどん異次元から生き物が来ちゃうかも…!」
桜は必死に考えながらも、何か方法を見つけなければならないと決意した。まずは裂け目を封じる方法を探すこと、そして、これ以上異次元の仲間たちを増やさないようにすること。それが今の桜の最優先課題だった。
「よし、何とかしよう…!」
こうして、桜はモグたちと一緒に、次元の裂け目に立ち向かうための新たな戦いに挑むことになる。学校の裏庭で始まったこの騒動が、どこまで広がるのか、桜にはまだ予想もつかない。
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