第5話 2体目出現。

後輩従業員は雌垣に問いかけた。

「そういえばA棟の恐竜は大丈夫なんですか?」

A棟では羽毛恐竜が2頭飼育されていた。名前をシノルニトサウルスという。そこまで大きくはない恐竜だが、この恐竜は鳥ほどではないが飛ぶための翼を持っている。その翼で木から木へと滑空することができた。

雌垣は答えた。

「シノルニトサウルスですよね…実は先から檻の中から鳴き声が聞こえるんです。」

それを聞いて後輩従業員は安堵した。

「鳴き声が聞こえるのなら女体化していないですねっ!よかったよかった。」

後輩従業員の反応とは対照的に、雌垣は苦笑いを浮かべた。

「いや…その鳴き声なんですが……」

「鳴き声がどうしたんですか?」後輩従業員は不思議そうに聞いた。

「どう聞いても「ざぁーこ♥ざぁーこ♥」としか聞こえないんです。」

「嘘でしょ。」

既に手遅れだった。

「まさかのメスガキ化…ここオネショッタパークって名前なのに………くだらね。」

後輩従業員は自分でも何を言ってるのかわからなくなっていた。

「何とかしなければ……」

雌垣は決意を決めた。

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