ぼけてつっこめ青春牛野郎

四越講師の揺さぶる

放課後、静かな校舎に足音が響く。牛くんは四越講師に呼ばれた教室へと向かっていた。悪いことをした覚えはないが、牛くんは教室の扉を開け、そこで待っていた四越講師の姿を見つけた。

「先生、どうかしたんですか？」と牛くんが尋ねると、四越講師はすこ屋の容器のような少し硬い表情で窓の外を眺めていた。教室には午後の日差しが差し込み、二人だけの静かな空間が広がる。

「牛くん、君はいつも牛丼ばかり食べているけど、それだけじゃなくて…他にも夢中になっているものはないのか？」と、四越講師は真剣な口調で切り出した。

牛くんは少し考え込む。「うーん、牛丼以外だと…まあ、澄子ちゃんのことかな？」と冗談半分で言ってみたが、その言葉が胸に爪楊枝がぐさっと刺さったような感覚に陥った。

四越講師は眉をひそめ、目を伏せた。「澄子…君は澄子が好きなのか」 彼の声にはわずかに感情が揺らいでいた。「君が彼女のことを考えるのは自然なことだ。でも、先生として、君にはもっと広い視野を持ってほしいんだ。恋愛は大切だが、それだけじゃない。もっと色んなことに目を向けてほしい」と、四越講師は教師としての立場から話していた。

だが、心の中では違う思いが渦巻いていた。「牛くん…君が澄子に夢中なのはわかる。でも、私は…私は君のことが…」 四越講師はその思いを胸の奥にしまい込み、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。

「先生、俺はまだ何もよくわかってないかもしれないけど…牛丼みたいに、澄子ちゃんのことも、もっと深く知りたいって思ってるんです」と、牛くんは率直に話す。彼の無邪気な言葉は、四越講師にとっては一層辛いものだった。

四越講師は頷きながらも、心の中で葛藤を抱え続ける。「彼は生徒…私は講師…そんなことはわかっている。だが、この気持ちはどうしようもない…」 しかし、講師としての責任感が彼の内なる感情にブレーキをかけていた。ドライブスルーをするように。

「牛くん、君はまだ若い。これからもっとたくさんの経験をして、自分が本当に大切にしたいものを見つけてほしい。それが恋愛でも夢でも構わない。先生として、君を応援しているよ」と、四越講師は優しく微笑んだ。

牛くんは講師の言葉に少し戸惑いながらも、「先生、ありがとうございます。俺、もっと頑張ります！」と元気よく返事をした。

その言葉に、四越講師は微かに寂しそうな笑みを浮かべながら、「そうか、君はどんどん成長していくんだな…」と心の中でつぶやいた。

教室を出た牛くんは、外の夕日を見上げながら考えていた。「先生、何をそんなに心配してるんだろう…？俺はただ、牛丼と澄子ちゃんが好きなだけなのに」