第27話:告発


俺は冒険者ギルドの個室でティアと一緒に取り調べを受けていた。

迷宮探索後、警備兵に最近の事件の情報について話すと、詰所に通され色々あって冒険者ギルドで情報の詳細を話す事になった。


「しかし、ダルトさんが担当だとは思いませんでした。」

「なんでも面倒な事は押し付けられるポジションでね。それはさておき、新人が襲われる事件について何か知ってるらしいね。」


俺はその事についてティアに話すように促した。

彼女はたどたどしいながらも、迷宮内で俺を襲った事以外で事件に関係ある事柄を説明した。


「なるほど、グループリーダーのミレディが新人を襲わないと大金を払えと脅してきた・・・という事だね?」

「そうですね。それで怖くなって、警備兵の人に助けを求めました。」

「それは、ミレディから直接指示されたのかね?」

「いえ・・・私の先輩のサフランさんからミレディさんの命令だと言われて脅されました。」

「なるほど、そうか・・・。ちょっと待っていてくれるか?」


彼は少し考えて、部屋から出て行った。


「セイシロウさん、私ちゃんと説明できましたか?」

「ああ、問題ない。」

「それならいいんですけど・・・。」


説明には問題なかったが、彼女が不安になるのも無理はない。

決死の告白をしたのに、ダルトさんは別に驚きもせず酷く冷静だった。


(まさか信じてもらえてないなんて事はないよな・・・。)


不安になって待っていると、ドアが開きダルトさんが入ってきた。

それに続いて誰かが入ってきたが、思わず目を引く魅力を持っていた女性だった。

綺麗で長く赤い髪に、抜群のプロポーションで、体にピッタリとした服装が良く似合っていた。


(何者だろうか?雰囲気からして只者ではない。)


その時ティアがはじけたように立ち上がり、その女性を驚愕した目で見た。

「あ・・・あっ!まさか・・・ミレディさん?!」

「え?!」

俺もまさかの黒幕登場で思わず立ち上がった。


「ティアちゃん久しぶりね。2年ぶりかしら?」

「は・・・はい!ミレディさんのグループに入った時以来です!」

彼女はかしこまって何度もお辞儀をした。


(どういう事だ?黒幕を連れてくるなんて・・・まさか冒険者ギルドとすでに繋がっていた?)


最悪のシナリオが思い浮かぶ。

彼女は何度もお辞儀をしながら震えている。


「す、すみませんミレディさん!許してください!わ・・・私は犯行するつもりなんてなかったんです。出来心だったんです!許してください!」

「そんなに怯えなくても大丈夫よ。とにかく落ち着きましょ。」


ティアをたしなめるミレディの姿と態度に悪意や不快感は感じられないが、外面だけでは人の内情を理解する事は出来ない。


「もうそれぐらいでいいでしょう。ティア君とミレディさん、挨拶はそれぐらいにして座って話しましょう。」























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