第18話:迷宮入口

あっという間に3日が過ぎて準備が整い、迷宮に挑戦する時がきた。

俺は朝早くに、迷宮に挑戦するために探索区の街の出口に来ていた。

そこでは警備兵が冒険者たちのチェックをしており、俺は身分証明書を提示した。


「ランクE冒険者セイシロウか・・・お前が挑戦できるのは「はじまりの迷宮」のみだ。それ以外の迷宮には入るなよ。」


どうもランクによって入れる迷宮は決まっているようだ。

俺は迷宮への道を聞き初めて街の外に出た。

街の外はモンスターや盗賊が闊歩する危険地帯のイメージがあったが、500年間迷宮探索をしているだけあって、迷宮への道は舗装されて街路樹も植えられており街道となんら遜色ない。

定期的に警備員が配置されており誘導すらしてくれる。

俺は迷うことなく「はじまりの迷宮」に到着した。


(ここが迷宮か?)


迷宮の入り口は荘厳さはまるでなく自然に出来た洞穴のようだった。

武装した警備員が数人待機していなければ、ここが迷宮だと信じられなかった事だろう。

その隣には大きな建物があり、武装した連中が出入りしていた。


(なるほど、ここが倉庫か。)


入口に待機している警備兵に身分証明書を見せると、倉庫内の俺のエリアまで案内してくれた。

エリアごとに簡素な壁で区切られているだけで物が盗まれないかと不安になったが、警備員が各場所に配置されており秩序は保たれているようだ。


「おお届いてる。待っていたよ、俺の武器防具達。」


すでに刀と甲冑は届いており、台まで用意されていてこのまま飾っていても価値があるように思えた。

少し眺めて悦に入っていたが、意を決して装備する。

どういう原理かはわからないが、体に適当に付けるだけで丁度いい感じに吸い付いてくれる。

そのおかげでたいして苦労もせずにすべての武器防具を装備した。


(凄いなこれは。誰に負ける気がしない。)


今まで武器防具を付ける経験などなかったので、恐ろしいほどの全能感を感じる。

もちろんそんな事はない、慢心するなと自分に言い聞かせて気持ちを落ち着けた。


「1人で迷宮に挑戦するのか?4人で挑戦することを推奨しているが大丈夫か?」

「はい。」

「わかった、では内部にいる警備員に話しかけるといい。」

「わかりました。」


迷宮ではその狭さから人数制限して4人パーティからの探索を推奨しているらしいが、前の世界で陰キャだった俺に4人も仲間を集めるなんて出来るはずもない。


(こういうゲームでは即席で仲間作ると信用できないから、1人プレイが一番なんだよ。)


俺は誰も聞いてない言い訳を心の中でして、迷宮内へと入っていった。
















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