短編小説

死を望む

第19巻

女はいつも死を望んでいた、死を渇望する人生だった、女は別に昔に何かあった訳ではない純粋に死を望んでいた、女は足を怪我して病院に入院したそこで重病患者に出会った、女は聞いた純粋に聞いた、その少年に、君は死にたくないかい？と、少年はキレそうになった、しかし少年は何かを感じ取って言った、俺は生きたいよと、女は聞いたなぜ生きたいんだねと、少年は答えたそれは生きていることが答えだと、女は何を言っているか理解できなかった、女は少年に興味を持った、いつも女は少年に今何を考えているんだいと聞いた、そうするといつも少年は色々な話を聞かせてくれた、体が治ったら食べたい物をいっぱい食べるんだ、そして行きたいところにたくさん行って、したいことをいっぱいする、そしてそして恋愛もいっぱいするんだ、それでそれでね、少年はウキウキで女に色々なことを話した、女はただ聞いていた、女は感情が生まれた何かしらの感情がそれは言葉に言い表すことができないなんとも言えない感情だった、女は言えなかった自分が本当は死を望んでいる人だと、言ってしまったら、そう言ってしまったら少年は絶対に怒るだろう、生きようとしている人の前で死にたいなんて言ったら少年は絶対に怒る、女はそれが嫌だった、いや本当は少年に生きて、と言って欲しかったんだろうか、今思えばもうそれはわからない、女はいつも通り少年の病室に向かった、それは快晴の日だった、女はいつしか少年の話を聞くのを生きがいにしていた、女はルンルンで部屋に向かうと部屋から出る看護師の顔が浮かない、女は嫌な予感がした、そお言えば昨日少年はこんなことを言っていた、ねぇ、君は退院したら何をしたいの、僕に聞かせてよ、女は戸惑った、そうだね、、、少年がしたいことを私は一緒にしたいかな、少年は笑った、なんだよその回答、おもろすぎるやろ！そして少年は続けた、そうか、君は僕のことが好きなんだね、ありがとう、とっても嬉しいよ、嘘であってもそれが聞けてよかった、少年は太陽が落ちる外を見てそおいった、どこか寂しそうな顔をしていた、そんなことを思い出しているうちに少年の部屋に着いた、急いで中に入るとそこに少年はいなかった、女は泣いた、初めて人に対して感情を、いっぱいの感情を乗せて泣いた、こんなことは人生で一度もなかった、泣くことはあったが心から泣くことはなかった、女は色々な感情が押し寄せた、そこで初めて思った、初めてわかった少年が言っていたことが、女はずっと泣いていた、1週間ずっと少年のことを思い出すと泣いていた、女はふと思い出した、少年が言っていた言葉に、君はさもしかして死のうとしてる？もしそうなら僕は生きて欲しいかな、それはこんな体とかじゃなくて君は本当は自分の中で生きたいと思っているんでしょ、だから今生きているんだよ、と、女はそれを思い出し、何かが吹っ切れたようにリハビリに向かった。