第3話 奇襲
しばらく歩いているうちに新たなエリアへと辿り着いたのだ……。
そこはファンタジーのような自然豊かな場所ではなく、野営地や沢山の要塞とレベル20の猪が徘徊する場所だった。
「ここは……どこだ?」
私が周りを見渡すと、その周りには沢山のプレイヤーが集まっているようだ。
私は興味本位でその要塞に近付くことにした。
「あのーすみません」
「はい、なんでしょうか?」と一人の男性が答えてくれた。
「ここってどういう場所なんですか?私初めてここに来たのでよくわからなくて……」と私は質問してみた。
すると男性は何かを察した顔でこう答えたのだ。
「ああ、野良か。えーっとここは初心者から中級者が集まる場所だよ。ここなら敵も沢山いるし、レベル上げにも丁度いいからね」と親切に教えてくれたのだ。
「なるほど……ありがとうございます」と私はお辞儀をしてお礼を言った。
その後、要塞の中に入ってみるとたくさんのプレイヤーたちがいた。みんな一生懸命戦っているようだが、その中でも特に目立っていたプレイヤーが二人ほどいたようだ……。
一人は剣士のような格好をしており、片手剣を振り回しながら敵を蹴散らしているようだった。
もう一人はヤリ使いのようで、槍持って敵を次々と倒していた。
「すごいな……あれがプロゲーマーの実力か……」と私は思わず呟いてしまった。しかし、彼らが強いのは間違いないだろう。なぜなら目の前でモンスターを軽々と倒しているからだ……。
このサーバーは初めて来た場所だし、しばらくはここにいることにしようと思う私であった……。
「よし、今日はここで仮眠とるか」
私はそう呟くと地面に座り込んで一息ついたその時、さっきの片手剣が急に私に近付いて攻撃して来たのだ。
「なっ!なんだ!?」私は慌てて剣を構えたが、次の瞬間には片手剣の攻撃を防ぎきれずダメージを受けてしまったようだ……。
どうやら奇襲だったようだ、一体なぜこんなことをするのかはわからないが……。
私はすぐに立ち上がり反撃に出ることにした、だが相手の方が一枚上手だったようで簡単に避けられてしまう。
そしてそのまま連続で攻撃を仕掛けてきたのだ、私はなんとか回避するがこのままではまずいと思い一旦距離をとることにしたのだが、相手は逃すまいと距離を詰めてきて再び攻撃を仕掛けてくるのだった。更に最悪なのがまたもう一人の槍使いも私を狙っているらしく、片手剣に攻撃したかと思えばすぐさま槍を私に突き刺してくる。
流石にこのままではまずいと思い、私は逃げ回ることにした……だが相手はそれを許してくれず執拗に追いかけてくるのだった……そしてとうとう追いつかれてしまった……。
「くそっ!ここまでか……」と諦めかけたその時だった、私の目の前に一人の女騎士が現れたのだ。その女騎士はまるで天使のような美しい姿をしており、その手には槍を持っていた。
彼女は私を守るかのように立ちふさがるとこう叫んだのである。
「カバーして!早く!」と叫ぶと同時に彼女は槍を振るい始めた。
その動きはとても美しく無駄のない動きで、まるで舞っているようだった。
そんな彼女の姿を見た片手剣や槍使いも驚くと同時に本気出してきた。私もロングソードを構えると、戦闘態勢に入るのだった。
「私も戦うぞ!」と叫びながら片手剣に立ち向かうが、やはり力の差がありすぎて逆に追い詰められるだけだった。
しかし、それでも私は必死に抵抗を続けた結果なんとか隙をつき攻撃を繰り出すことに成功したのだ。その一撃は見事に命中したようで相手を倒すことに成功したようだ……。
だがその直後に私の背後から槍使いの突き技を受けてしまったようで神経に伝わる痛みが走り攻撃を止めてしまう。
しかし、槍の騎士がその隙に喉元を突き刺して倒してくれたようだ。私はそのまま倒れ込み意識を失った……。
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