過保護過ぎた私
三株は意外に順調に育っていきました。
その年、薔薇友さんと行った薔薇園で、私は新しい子を増やす気満々でした。
私の一番欲しかった子は「クィーンオブスウェーデン」です。薄い優しいピンクの花はカップ咲で、まるでティーカップのような形。そして、花びらが中にぎっしり。花は大輪まではいかない中輪。可愛い。可愛らしい守ってあげたくなるお花。
エルはオレンジと黄色、ピンクの複色の大輪です。(咲かせてないのでこのころはどんな色でどのくらい大きいかわかりませんでした)
挿し木でいただいた子が、グラミスキャッスルとヨハネパウロ2世で、二株共白。
私、とにかくピンクの薔薇が欲しかったのです。薔薇らしい薔薇と言えばピンク。私自身はとてもボーイッシュな感じですので、ピンクの洋服などは着れません。でも、密かに好きな色だったのです。可愛い薄いピンク。薔薇ならいいよね?
しかーし、お目当ての子は売っていなくて、その日お持ち帰りしたのは、ミニ薔薇のフォーエバーローズでした。薔薇友さんは濃いピンク。私はまたもや白? ややピンク? (育ててみると、なんとこの子は白の花ではなく、なんとも可愛らしい淡い黄みピンクになりました)ミニ薔薇は、またも育てるのが難しいとも知らずに。
ミニ薔薇は小さな一鉢に挿し木の状態で四本入っていました。しばらくはその状態で育てたほうがよかったのですが、根が絡まったら嫌だと思った私は、早々に小さな鉢を四つ購入して、一鉢に一株に植え替えました。(しかも、まだ季節は5月。根を洗って植え替えるなんてことはしてはいけません。なのに、私は……してしまいました)
その一株はすぐにお亡くなりになりました。きっと私が植え替えたせいです。本当に申し訳ないことをしました。
そして、次に私を悩ませたのは、うどんこ病でした。ミニ薔薇3株のみ、葉が白くなってしまうのです。ミニ薔薇は耐病性がとても低く、しかもハダニが付きやすい。その頃はまったく無知でした。薬剤散布。そして、白い粉を吹いた葉を毎日洗いました。しかし。また一株がお亡くなりになりました。
枯らしてしまうというのはかなりショックです。私は、まだ薔薇を育てるレベルじゃないのに買ってしまったからかもと自分を責めました。
そして、どんどん過保護になっていきました。
雨にぬれると、薔薇は黒点病というものにかかります。(薔薇にとって最大の敵です)
もちろん薬剤散布もしてました。ハンドスプレーの薬剤を三種類は買ってローテーション。でないと薬剤耐性がついてしまうのです。おかげで手は腱鞘炎ぽく。
本当に薔薇は病気からも虫からも好かれてしまう罪深い花。
だから、世話にとにかく愛情も時間もお金もかかる。
話はそれましたが、私は過保護過ぎました。
雨のたびに、部屋の中に薔薇たちを入れていたのです!
「花香、なんか、狭くない?」
ベランダのある部屋は主人のパソコンと私の電子ピアノがある部屋でした。
そこに、五株が雨のたびに避難させられます。
「ごめんね。でも、薔薇さん枯れたらもう嫌なんだ」
夏過ぎまでそれを繰り返していた私。
でも、六月は薔薇の成長期。エルは大輪の花の子ですから、とにかく伸びるんです。グラミスキャッスルは棘がかなり多い子。この子は調子を崩していて、心配でした。ヨハネパウロ2世もまた、上に上に伸びる子でした。部屋が狭くなるはずです。
ですが、それが功を奏したのか黒点病にはならずに育っていきました。相変わらず、ミニ薔薇ズはうどん粉病を抱えつつも。
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