第3話 ガレージジムでセフレと放課後えち
冷静に考えて、僕みたいなダメクズ男のことを構ってくれる美少女が二人もいるなんて、奇跡としか言えない。17歳にして、一生分の女性運を使い切ってしまったと言っていい。
つまりは、文と華乃を手放すわけにはいかないということだ……! 見捨てられるわけにはいかないのだ……!
僕が今、110キロのバーベルに押し潰されそうになっているのもそのためなのだ。
「ぐぅ……! んっ、ぐぉぉ……っ!」
「頑張れ、丈太。挙がるぞ」
「ぬあぁっ!」
僧帽筋に担いだバーベルを何とか挙げきり、最後の力を振り絞ってラックへと戻し――その瞬間、僕は崩れ落ちる。バーベルスクワットである。筋トレである。
僕はこの一年間、筋トレに力を入れてきた。男を磨くため、少しでも文と華乃に相応しい男になるためだ。
幸いなことに父さんが数年前まで使っていたガレージジムが庭にあるため、設備には困らなかった。といっても、鉄筋コンクリートの車庫にパワーラックとバーベル、アジャスタブルベンチがあるだけなんだけど。
でもこれだけで、スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、ミリタリープレス、懸垂はできる。お隣なんてものは華乃ん家だけだから騒音も問題にならない。田舎でよかった。デッドリフト用のマットも、先日の誕生日に買ってもらったしな。
「相変わらず凄いな、丈太。4レップだぞ? 記録更新だ」
学校ジャージ姿の文がしゃがんで、僕の口元にボトルを差し出してくれる。僕は自分の手も使わず、そのボトルからポカリを飲む。
はぁ、最高。都合が良すぎる。頼んでもいないのに、当たり前のようにポカリを作ってきてくれてる。
そもそも今日のメニューを伝えてすらいなかったのになぁ。僕が筋トレ中に水以外を入れるのはスクワットかデッドリフトの日だけだってことまで、言わずとも理解してくれてるんだよなぁ。都合良すぎる。文も都合良すぎるし、都合良すぎるという言葉も都合良すぎる。万能すぎる。
「余裕だよ、こんな。はぁっ、はぁっ……! 文と華乃を合わせればちょうど110キロくらいだしね! はぁっ、はぁっ……!」
「そうだな。私は構わないが、他の女子に体重の話をしないようにな」
息は絶え絶え、脚はプルプルだが、バーベルの近くに文を座らせておきたくはない。自分の体を引きずってラックから脱出し、壁にもたれ掛かるようにまた崩れ落ちる。
文も僕の隣に腰を下ろし、
「これで終わりだよな? 一応今日は梅しそササミおにぎりを作ってきたんだが」
「最高。食べたい」
「だが、食べられないだろう? しばらくは」
まぁ、うん。こんな状態で、胃が正常に働いてくれるわけがない。30分はまともに動けないだろう……くそぉ、文の前でカッコつけたいばかりに追い込みすぎた! この後、文のおにぎり食べてシャワー浴びたら、ベッドで文を食べたり浴びたりしようと思ってたのによぉ……!
今が17時過ぎ。18時半には華乃もお母さんも帰ってきてしまうだろうし、超早漏の僕でも、このスケジュールをこなすのは困難だ。文にも気持ち良くなってもらいたいし、やっぱり繋がってからしばらくはイチャイチャしてたいしな!
それなのに時間がない! 絶望的に足りない!
くそぉ……脚トレの後って、食欲はわかないけど、性欲はめちゃくちゃ昂ぶっちゃうんだよ、僕! 脳が命の危機を感じて、子孫を残そうする本能が働いてしまうのかもしれない……こんな状態でお預けなんてあんまりじゃないか!
「ここでシてしまおうか、丈太」
「え」
そう言って文は僕にキスをし、パンプアップした僕の太ももに跨がってくる。
「いや、さすがにさ、僕汗だくだし」
「どちらにしろ汗だくになるだろう、お互い」
「確かに」
「それに、私は丈太の汗が好きなんだ。匂いも質感も味も。変態だと思われたくなかったから言ってこなかったが、私にシたりサセたりする前にシャワーなんて浴びないでほしい」
「ド変態だなお前」
「それ、最中にもいっぱい言ってほしい」
「本物のド変態だ……」
ド変態おねだりされてフル勃起しちゃってる僕も大概だが。でも赤面真顔でそれは反則だって。
「丈太はこのまま座っているだけでいいぞ。たまには私が動こう」
そんなことを言っている間にはもう、薄い唇と小さなお手々で準備運動が始まっている。体が密着し、文のカモミールみたいな香りが互いの汗に混じって立ち上ってくる。抱き返すよう、Tシャツに手を滑り込ませると、スベスベの肌がやはり既に汗ばんでいる。こいつも実は汗っかきなんだよなぁ。
「あ、でも文。ゴムが」
コンドームは僕の部屋に隠してあるのだ。持ち歩いたりなんてしていたら華乃にバレかねない。
まぁでもよく考えてみたらバレたところで「えーっ、童貞のくせに、もしかして何か期待しちゃってんのーっ? うぷぷっ!」みたいな感じでバカにされるだけか。まさか文との情事に備えて、だなんて華乃は思いもしないだろうし。チョロい幼なじみでよかった。うん、明日から財布に入れておこう。
「いらない。生でいい。安全な日だし、外に出せば大丈夫だ」
「ダメだって言ってるだろ、そういうの……文がそんな意識でいるならこの関係も、」
「冗談だ。コンドームなら私が常に持ち歩いている」
「初耳なんだよなぁ」
「君がいつもちゃんと自室に用意しているからな。私達はこれまで君の部屋でしかシたことがなかったし。だが、こうやって外で抱かれてしまう日が来ることも、実はずっと期待していたんだ」
「ド変態だな、お前」
「もっと
シャッターが開いたままだったが、閉めにいく暇などない。動けないし我慢できない。目の前のド変態女を欲望のまま
まぁ、別の部分は汚してやるんだけど。
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