第5話


「な、バカッ!!何を勝手に潰されてんだ!!」


叫ぶキャスパリーグ。

彼女の後頭部に向けて回転式拳銃で頭を殴った。


「黙ってろって言ってんだろうが!!おいラヴィ!!無力化した、こっちに来い!!」


インカムで伝える。

彼女はまだ、機械神近くに居るKGキル・ギアを警戒している。


『あの機械神の機死片を回収してるの、どうすんの?』


彼女の言葉に、桜賀紫電は心配ない、と言った。


「おい、キャスパリーグ、このまま作業を続けさせろ」


「あ!?」


彼女は反抗した。

すぐさま、桜賀紫電は撃鉄を起こした。


「無駄話は嫌いなんだよ、分かるか?分かんねぇよな?頭ん中空っぽなんだろ?今から穴を開けて中身を見てやるよ!」


脅し文句だ。

しかし、既に二人殺している桜賀紫電。

言葉通りに実行する凄味があった。

それに気圧されるキャスパリーグ。


「ざ、ざけんな、やめ、ぐ、うううッ!てめぇら!!作業を続けやがれ!!」


自分が殺されると思い、恐怖で涙目になっているキャスパリーグ。


「テメェのトラックに載せろ、いいな?」


桜賀紫電は、キャスパリーグが乗車していたトラックを奪う算段だった。


「ケッ、まるでスイートルームだな」


キャスパリーグが乗車していたトラックの中は広々としていた。

まるでキャンピングカーと合体させた様な車両だ。

キッチンやトイレ、シャワー室やベッドまで完備されていた。


「これがスイートルーム?格安モーテルをそう呼ぶのかよお前ッ」


キャスパリーグが噛み付いて来る。

苛立ちを覚えながら桜賀紫電は結束バンドで拘束したキャスパリーグをベッドの上に押し倒した。


「ここをテメェの棺桶にされたく無けりゃ、黙ってろ」


冷蔵庫の中を開けると、キンキンに冷えた缶ビールなどが詰め込まれている。

今は飲む気にはなれないと、桜賀紫電は冷蔵庫の扉を閉ざすと、ラヴィからインカム経由で声を掛けられる。


『オーガ、同業者にこんな真似して大丈夫なの?』


彼女の幼い声が聞こえてくる。

一応は桜賀紫電を心配しての声だった。

その声に、桜賀紫電は一息つきながら言う。


「あ?大丈夫なワケねぇだろうが」


トラックの荷台に機械神の機死片を詰め込ませる。

狙撃兵に搭乗しているラヴィはそのまま警戒をしていた。


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