第9話 ここらで一息
昼。ポカポカしていて暖かい。
こんなに天気のいい日は昼寝をするに限る。
俺は草むらに寝転がる。この世界に転移して最初にいたあの草原だ。ここは草がふかふかで寝転ぶと気持ちが良い。
異世界での生活も、そう悪くないかも。
まだこの世界に来て3日目だけど、振り返ってみるとずっと運動していたような気がする。
たまにはこんなふうにしっかりと休息を取るのが今後のパフォーマンスを考えても最善の行動だ。
そういや、クラスメイトはどこいったんだろな。
俺のクラスは3年3組だった。俺はあまり馴染めていなかったが、それでも居心地が悪いと感じたことは一度もないくらい、クラスとしてはよくまとまっていた。不良やDQNなんかは1人もいなかった。
―――俺がコミュニケーションを面倒くさがって心を閉ざしたりしてなかったら、クラスのみんなと打ち解けることができた世界線もあったのかな。
なんて、今更考えてもどうしようもない。
省エネの俺らしくはないな。
草むらで大の字に寝転がりながら目を瞑ってそんなことを考える。
もし、クラスメイトとこの世界で会うことがあったら、そのときは……。
そのまま、俺は眠ってしまっていた。
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