山口真希の事を話す者たちの、軽薄で無思慮な感じが印象に残ります。
実際、こういう感覚の人間のほうが現代では生きやすく人生もそれなりにうまくいくのかもしれないと、思ってしまいそうになります。
私は、中途半端に抵抗してしまったために社会からドロップアウトしてしまいましたけど、やはりあのまま世間に巻かれて生きるのが正しいとは思えなかったんです。

探偵が、引きずっていた過去の忘れたと思っていた記憶に向き合った時、諦観と絶望が溢れたのだと思うと、これが自然な成り行きなのかもしれないと思ってしまいそうになります。

クラゲという媒体が、興味深いですよね。ふだん何してるかわからない彼らも、生態系の中ではきっと重要な意味と役割があるのだろうと思うと……
見えないクラゲが無数に漂う空というのは、私には寧ろ美しいと思ってしまいます。そして、それを目の当たりにしたら私も空に飛び出してしまうだろうと。

調査シーンの、上手く行き始めたことが疑念と違和感を覆い尽くして足を止めさせない感じが、凄くリアルで生々しいと感じました。

素敵な物語でした。ありがとうございます✨️