002:この世界について
おぉ普通の書斎なんて比べ物にならないぞ!
これだけの量の本があるなら、この世界についての歴史本とかあるはず………。
ってか量が多すぎる!
どこに何の本があるのか、全くもって分からん。
僕は世界の歴史について書かれている本を探すが、あまりにも本が多く見つけるのにも時間がかかる。
そして何よりも本棚が大きいので上の方が届かない。
どうにか下の方に無いかとハイハイで探してみる。
おっ!
下の段に歴史書があったぞ。
これはこれはラッキーって感じだな。
どれどれ歴史について確認するか………。
本棚の1番下の段に歴史書と書かれた本があった。
それを赤ちゃんの力を存分に使って手に取って、ページをピラッとめくる。
いや、ちょっと待てよ。
こっちの文字は読めるわけが………。
あれ? 文字が読めるな。
どうなってるんだ。
本を開いたところで、この世界の文字を知らないと思ったのだが開いて見てみたら、頭にスッと文字の意味が入って来たのである。
どうなっているのかと思いながら、とりあえず本を読んでみる事にした。
えぇと本の内容は……まずは地理からか。
この世界は5個の大陸に分かれていて〈
僕がいるのはセントル大陸か。
それからそれから。
どうやらこの世界には〈魔法〉と〈
さすがは異世界って感じでワクワクするな。
僕は本の内容を読むと異世界という実感が湧いた。
こういう内容ならば歴史書の本筋の内容は、もっと面白いんじゃ無いかと考えて次のページを開く。
読もうと思ったら外が騒がしい事に気がついた。
僕が居なくなった事に、使用人たちが気がついて屋敷の中を探し回っているみたいだ。
しょうがないな。
今日の読書は、ここまでにしよう………。
ここはわざと見つかって書斎にいた事はバレないようにしようかな。
部屋の外に出るとメイドの1人が、涙を流しながら走ってやって来た。
そのメイドは「よかった! よかった!」と泣きながら抱き上げるのである。
「こんなに早くからハイハイをして屋敷の中を回るなんて未来有望じゃないかしら! ばあやも、そう思わないかしら?」
「確かにそうですねぇ。あそこから脱走できるのは素晴らしい事だと思います………しかし! 我々メイドからしたら、最悪な事態になる可能性がありまして、何とも言えませんねぇ」
そりゃあそうだろうな。
母親の反応がおかしいだけで、メイド長の言っている事が正しいだろ。
もしもの事があったら、子守を担当していたメイドの首は確実に飛んでしまうんじゃないか?
メイド長たちは僕に何もなくて安心している。
もしもの事があったら、担当していたメイドだけではなくてメイド長も処刑されていただろう。
それくらいの事態になる可能性があった。
しかし僕としては反省をするつもりはない。
明日も脱走できるんじゃないのかと考えていると、気がついたら目の前にオッパイが来ていた。
色々と考えたい事はあるけど………。
まぁ腹が減っては戦はできぬって言うし、今日のところは仕方なく母乳を貰うとするか。
今日はたくさん動いたから、いつもよりお腹がペコペコになったなぁ。
普段よりも行動したので僕は腹を減っていた。
その為、乳母のオッパイに食い気味で吸い付く。
何とも言えない気持ちになりながら母乳を吸った。
次の日も書斎に行きたいが、毎日のように居なくなっていたら警備が厳重になってしまう。
その為、僕は1年かけて少しずつ本を読み込んだ。
この1年で僕が集めた情報をまとめると、まずは僕の
凄いなぁ。
まさか将軍家系の嫡男として生まれるとは。
それにウォーグニティ帝国で大将軍の位を貰っているのは、僕たち《アインザック家》と《ガルシア家》の2つだけって事からも凄さが分かるな。
それから魔法については、この世界の人間は生まれた時から魔力というのがあるらしく、それを上手く炎や水と言った属性魔法というものに変化させるという。
どうやって魔法を使うかは、まだまだ分からないけど良いところの出なら魔力もたくさんあるんじゃ!
そうしたら夢の異世界ライフも捗るな。
魔法を使ってバンバンと無双できるんじゃないか?
これについては、もっと深く調べなくちゃ。
そして魔法に並んで重要なものとして、もしかしたらあるかもしれない〈
このユニーク・スキルは、誰にでもあるものではなくて稀に持って生まれる人間が出るみたいだ。
それは貴族だからとか、奴隷だからとかの出生とは因果関係が無いと本には書かれていた。
膨大な魔力にユニーク・スキルなんてあったら、この世界では勝ち組になれるんじゃ無いか?
ヘボなスキルだったら何とも言えないけど、まぁ無いよりはあった方が良いだろな。
魔法とユニーク・スキルを調べる手段として、5歳になった時に適正テストのようなモノがあり、教会にある水晶に手をかざすと得意属性魔法とユニーク・スキルの有り無しが調べられるらしい。
そして僕はこの世界で、すくすくと成長し3歳になって立ち歩いて喋れるようになった。
「僕も剣の修行したい!」
「おぉ! アランも剣の修行がしたいのか!」
「貴方、まだ早いんじゃない? 怪我でもしたら危ないわよ………」
「それもそうだけど、怪我をしない為の修行でもあるからなぁ。早い時から修行をしてたら、それだけ大人になった時、周りと差をつけられるぞ?」
俺としては暇だから剣の修行をしたいんだけど、この両親は子供に甘いところがあるからなぁ。
剣は危険とか言って小さい時は剣を握らせて貰えないかもしれないな………。
それだけは辞めてほしい!
退屈すぎてたまったもんじゃない!
僕は日々のあまりにも退屈な生活に耐えきれなくなって来て、両親に剣の修行を頼み込む。
コルードとローズは最初こそ「うーん……」と渋っていたが、毎日のように頼み込んでいると認めてくれるようになったのである。
「良いか、アラン。剣術っていうのは心の内に、何らかの志を持って振るモノだ」
「志?」
「そうだ。誰かを守りたい、この国の為に戦いたいっていう意識を持って剣を振うんだ。そうじゃないと、それはただの暴力になってしまう」
ほぉほぉさすがは騎士と言ったところか。
やはり剣の修行とは言えども、そういうところにも気を回さなければいけないわけか………。
チャラそうに見えるけど、かなり勉強になるな。
「それじゃあ論より証拠だ、剣を振ってみな」
「うん!」
僕は頭の中で想像している感じに剣を振ってみた。
すると想定していたよりも遥かに良い感じで振れた。
少し感動をしながや父親の方を見てみると、かなり驚いた感じで言葉を失っていた。
これってもしかして筋が良いのでは無いか?
さすがは騎士家系の子供というわけだ。
しかしただ才能があるかもしれないってだけだから、ここからコルードに教えてもらう必要があるな。
この日から僕の剣術修行がスタートした。
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