第6話

「ねぇ、あなたが七刻でしょう?」

トレーニングをしていると、知らない綺麗な女性に声をかけられ、僕は手を止めた。

「…誰?あんた…」

汗をタオルで拭きながら聞くと女性はにっこり笑いながら近くの椅子に座った。

「まずは初めまして。私は司令部のリーダー、一刻。よろしくね?」

僕は一刻を観察した。

黒髪黒目で見た感じ、年齢は二十代前半ぐらい。胸には左胸にはゴーストのバッジが光っていた。

僕は汗を拭いた後、近くにあった椅子に一刻を案内した。

「何か飲み物を―」

「いいえ、結構よ。それよりも写真で見たよりも幼く見えるのね?」

にっこり笑う一刻に僕は会釈した。

「実際は何歳なの?」

僕の情報が欲しいのか一刻は目をキラキラさせて聞いてきた。

「まぁ、年齢は隠してないので。16ですよ」

「ッ!…み、見た目通りじゃない!」

驚いて立ち上がる一刻の表情が面白くて僕がクスリと笑うと、一刻は疲れた表情で椅子に座りなおした。

「一刻が来た理由は僕の情報が欲しくて、ですよね?」

僕がそう聞くと一刻は目をそらした。

「それもあるけど、一つ、直接確認したいことがあったの。けど、もういいわ」

「?」

一刻は立ち上がりニコッと笑顔で言った。

「今日の指令は私が直接担当するわ。しっかり動いてちょうだい?」

僕はその言葉にクスッと笑う。

「わかってますよ」

僕の言葉を聞いた一刻は満足そうに部屋を出ていった。

「少し休むか」

僕はルカに休むことを行った後、ベッドに入って目を瞑った。



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十二の悪役 くろまめ @Tenra

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