第二日目
朝日が地平線から昇る。しかし、その光は濁っていて、かつての輝きはない。昨日から歩き続け、今はかつての自宅があった場所に立っている。
「ここが……家だったはずだ」
瓦礫の山を前に、私は立ち尽くす。7年前の記憶が蘇る。家族との団らん、友人との語らい。すべてが過去のものとなってしまった。
「みんな……どこへ行ってしまったんだ?」
答えはない。ただ、風が瓦礫の間を吹き抜けるだけだ。
突然、近くの瓦礫の山が崩れ、そこから小さな生き物が飛び出してきた。それは……ネズミ?いや、違う。体が異様に大きく、目は3つある。放射能の影響で突然変異を起こしたのだろう。
「こんな生き物まで……」
驚きを隠せない私を尻目に、その生き物は素早く別の瓦礫の山へと消えていった。
「この世界は、もう元には戻らないのか」
そう思いながら、私は歩を進める。胸のパネルには「残り6日」と表示されている。時間は刻一刻と過ぎていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます