第7話

「舞夜くん眠そう。…また自主練したでしょ?」


夏祭りから1週間後。


9月に入ったとはいえ、まだまだ日中の暑さは耐え難い熱気を含んでいる。



「あー、でも部活はちゃんとやるから大丈夫。」


「ホントかなぁ……怪しい」


「任せろって!昨日は自己ベスト出たんだぜ?」


「夜に自己べ出してもあんまり意味ないでしょうが…ていうか舞夜くん……」



急に真剣な顔つきになった静夏が、俺に近付いてる。



「最近、この辺で夜に不審者が出てるって噂があるの。何もしてないのに追いかけてきて、隙あらば襲おうとしてくるって…舞夜くんも、気をつけてね…?」


「俺ー?いやでも俺男だしなぁ…」


「男とか女とか関係ないのっ!とにかくしばらくは夜の自主練を辞めてほしいんだよ…」


「あーわかったわかった!」



俺は静夏を心配させないようにそう言ったが……



(やっぱりまだ日中に走るのは抵抗あるぜ!まだまだ夜しか涼しくないからな…!)



頭の中では、いつもより短時間で終わる練習メニューを考えていた。

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