第4話  後世 世界 




 ここは、令和6年11月初旬の 「東京」 なぜこんなことになったのか…‥‥考えても「答え」は出る筈もなく、歴史はその転換点に達しつつあった。


「核武装した強国日本」


ありえない ありえなすぎる


東アジア最大の兵力を保有する正規軍。それが、「後世世界 ニッポン」の真相だった。


「ところで主任、『原子力潜水艦 金剛』なんですが・・・なんと なんとですよ、VLSが18式マルチスタティックミサイルに対応に正式に『国防部』が承認が下りまして ございまして…」


「なんだって、あの巡航ミサイルが搭載可能にね!」


と杉田は内心ワクワクとドキドキがともらなかった。あの12式の能力向上型18式、それのさらに改良型「18式マルチスタティックミサイル」全高12m射程距離2700kmの高性能超高速巡航ミサイルシリーズだ。マルチとついているだけあって弾頭部を簡単に換装できるというマルチパーパスなミサイルなのだ。



 時は変わって 昭和 15年 2月  帝都 東京


この時代も変化を見せていた。逓信省は総務省と掛け合い、民間への電波の一部開放を広げる行政令を発布し、テレビをデジタルモノクロテレビからデジタルカラーテレビに変更するのを皮切りに 「PHS」 を国民に配布し通信の強化に乗り出していた。



『国民総スパイ化』を法案化し、施行された。 (昭和 15年 3月12日 施行)


PHSは「国民の常在ツール」となり、すぐにカラー液晶モデルが発売されると瞬く間に売れに売れ一億PHS国家となっていった。


工業革命、情報革命は帝国を大きく変えた。「帝国」と名乗っているものの実質的には「民主主義帝政」のような様相に変化を見せ始めた。その後、6月にはパーソナルコンピューターが開発完了し、初期型の「アバロン vl 1.1」はわずか数日で完売した。


また、また、また 腹痛が発生し気が付くと昭和15年 8月の京都 伏見に杉田はいた。



「なんだ、また腹痛が収まったら……なんだ、この電光掲示板は‥‥‥‥」


ネオン、三色LEDの電子看板・・・・・・本当に昭和か!!と杉田は思ったが13式自動小銃を手にした日本兵が歩いている。装備は更新され、ボディアーマーに個人装具を身に着けた日本兵・・・これはアジア最強軍になってしまったか。。。。。。。。いや、それは、「世界最強の日本軍」になっていた。


中国軍との間での戦闘は講和条約締結により15年8月16日に終戦となり、朝鮮でくすぶる戦闘が起こり、フィリピンの米軍は帝国陸軍基地と距離をとって陣地が構築されていた。つまり、実史通りの「戦争」にいつなってもおかしくない状態になっていた。


件の「スパイゾルゲ情報」によりアメリカでもインターネットが開発され、米軍は「イントラネット」という軍事通信網を形成しつつあった。米国でも携帯電話が開発され、PHS時代はすぐに終焉し、三億携帯時代が始まりだしていた。


「なんという ケータイが・・・これはもうスマホも目前かな・・・」


杉田はアメリカの工業力の恐ろしさを身をもって感じていたのだった。





   五話へと続く・・・・・・・





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