第5話 いざ、音楽室!
タタタ、と執事やメイドさんが螺旋階段を降りてくる。左側に寄りながら、シャンデリアや天井に描かれた美しい絵画にうっとりとしてしまう。
「いけない、いけない。バレないように音楽室に入らなくっちゃ。」
頬をピシャリと叩いて自分の目標を思い出す。
「確か、金色のドアだっけ?」
金色のドアは目の前にあったので、すぐにかけこんだ。走っている1秒1秒がおしい。
「わぁ…!」
ドアの向こうにはツヤツヤの大きなグランドピアノやオルガン、木琴からフルートまでが置いてある。メロディーが思わず足を止めてしまったのはグランドピアノの色のせいだった。淡い青色。あの時着ていたドレスの色。息が止まるような思いで手を置いた。
あの時引くはずだった難曲。だんだん高く、かろやかに。ダダーンと低い音で曲は終わる。
パチパチと小さな拍手が聞こえた。
「綺麗…。」
びくりと振り向くとそこにはメロディーと同じぐらいの年の青色の瞳の背の高い男の子がいた。
「お願い、誰にも言わないで!」
気づけばその子の手を握り、頭を下げていた。
「君だよ、僕が探していたのは!」
メロディーの言葉には何も言わないまま、笑顔で握った手を引っ張ってどこかへとその子はメロディーを連れて行った。
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