第4話 第一関門!?
ふぅっと深呼吸。
目の前には真っ白な宮殿を囲む塀。その向こうに入るためには門番の隙を狙わないといけないが、門番は四六時中そこにいる。
「どうしよう…。」
オロオロと悩んでいると、多くの人々が門番を避けて超えようとする所で見つかった、ということを思い出した。ならば、とあえて堂々とすることにする。嘘を考えながら、空っぽの洗濯カゴを抱えると、背の高い門番に向かって話しかけた。
「私、新しくここの侍女となったメロディーと申します。」
「私は門番のアーサーだ。こちらはルーカス。何の用だね?」
背の高い門番のうちの一人が見下ろすようにして初めてみる顔のメロディーをジロリと見て低い声で言葉を返してくる。
「ここの音楽室の掃除を担当させていただくことになったのです。」
アーサーとルーカスが顔を見合わせた。震える小さな体をもう一度見ると、頷いた。
「よろしい。」
ルーカスの少し高い声を聞くまでずっと俯いていたメロディーはパッと顔を上げた。本当ですか、と聞きたくなったが、そう言ったらバレてしまうので必死に顔を下に向ける。
「音楽室は2階の金色のドアだ。階段はすぐそこだ。」
お礼を言って、メロディーは門を通った。
嬉しくてたまらないが、ここで気を抜いてしまったら大変なことになってしまう。
すぐに上がってしまう口角をグッと引き締めて2階へと続く階段を一歩一歩踏みしめながら登った。
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