絵のとびら
河原に出したトウの椅子に腰掛ける
そばに置いていた小机からパレットを持ち出すと左手に置き筆を取る
さわさわと流れる小川と涼しい翠
目に映したそれを、キャンバスに描き写していく
水の流れを筆に沿わせる
生き生きとした木のうねり、葉の一枚一枚の生命を描きあげる
白いしぶきを画面に落とす
訪れた小さなお客さんが、ちょこちょこと岩の上を歩く
可愛らしくて、描き足した
小さな楽団のような世界が目の前にある
賑やかで、静寂で
それを写したこの一枚は、窓となり扉となるだろう
部屋に飾ればいつでもこの場所に舞い戻ってこれそうな気配を感じた
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