光の中で
サンダルを脱いで川に入る
少し冷たいせせらぎが心地よくて目をつむる
木漏れ日がわたしの顔を照らすから
もっと触れたくて陽だまりに入る
魚の背が反射しきらきら光る
わたしは光を食べるまねをする
暖かい、涼しい、冷たい
そのどれもを感じている
膝にさわさわと当たるスカートの感触が心地いい
ふっと強い風が吹いて、わたしの頭の麦わら帽子が浮き上がる
それを捕まえると手を離れた純白の裾が少し水に染まった
綺麗だから、それもいいかともう片方の手も離す
水を行く布が肌に当たる
ゆらゆら、時々くすぐったい
魚が寄ってくる
つんつん、ひらひら
かわいい
麦わら帽子の隙間に落ちる太陽の光が、胸元を、足元を照らす
ちらちらとそれは光り輝いて美しい
少し涼んだかしらと岸に上がる
きゅ、きゅとスカートの裾を絞れば垂れる水が石に落ちる
サンダルを引っかけ、もう一度せせらぎに目をやる
「またきます」
さわ、と風が吹いて
お返事をもらえた気がした
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