第11話 シンキング王冠《解説編》

 メイ「ただいまヤカタさま。岳くん助けてきたよー」

 

ヤカタ「メイ、おつかれさま。人助けをしたわね」

 

 メイ「いやー、ヤカタさまの手柄でしょ。ヤカタさまが、助けてあげてって突然言うから。なんで岳くんがこまってるってわかったの?」

 

ヤカタ「うふふ」

 

 メイ「うふふって」

 

ヤカタ「…………うふふっ」

 

 メイ「結局言わないんかい! ……もう、あい変わらず怪しいなぁ」

 

ヤカタ「ほめ殺し言葉として受け取っておくわ」

 

 メイ「そんなにほめてるわけないでしょ!」

 

ヤカタ「さてさて。大切なアイテムの話をしましょう」


 メイ「そうそう、どうして、岳くんは動けなくなったの?」


ヤカタ「動けなくなったわけじゃないわ。動くこと、それ自体はできたのよ」


 メイ「え?」


ヤカタ「シンキング王冠を使った結果、岳くんは頭の回転が速くなった。いえ、。つまり、思考が速くなりすぎた分、時間の流れを、とてつもなく遅く感じるようになってしまったの」


 メイ「なるほど! 体が動かなくなったんじゃなくて、時間の流れが遅すぎて、体を動かすのに異常に時間がかかっている状態だったんだ!」

 

ヤカタ「岳くんの体感時間的には、40時間は動けなかったようね。……うふふっ」


 メイ「ヤカタさま?」


ヤカタ「シンキング王冠は、私のを見事に果たしてくれたわ」

 

 メイ「……楽しそうだなぁ。これで、悪気はないんだもんなぁ」

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