第7話:訪ねてきた三好 沙也加。

三好 沙也加からマンションに遊びに行っていいですかって聞かれて承諾して

しまった好彦・・・そのことをルシエルには黙っておこうと思った・・・

けど、沙也加が訪ねてきたら彼女の存在は当然ルシエルに知れることになる。


だから好彦は沙也加のことをルシエルに話した。


「そう、好彦とその人どう言う関係?」


「会社の同僚って言うか後輩・・・」


「ふ〜ん・・・で?好彦は?・・・その人のことが好きなの?」


「好きって言うか・・・感じのいい人だなってのは思うけど・・・」

「でもそれだけだよ」

「彼女が俺んちに来たいって言うから、オッケーしたんだけど」

「まずかったかな?」


「なんで?・・・いいよ別に・・・」

「なに心配してるの?・・・私がその人にヤキモチやくって思ってる?」


「だって女の子を部屋に連れて来るんだよ」

「なにも感じないわけないかなって思って・・・」


「別にお付き合いしてるわけじゃないんでしょ?」

「彼女とは恋人とかそう言う関係じゃなかったら別にいいよ」

「もし好彦にとってその子が気がなる存在なら残念だし・・・それは浮気だね」


「浮気って・・・そんなつもりないよ」


「だけど、なにもないのに、ここに遊びに来たいっておかしくない?・・・

「好彦にその気がなくてもその子が好彦に気があるからじゃないの?」


「まさか?」


「相手のことなにも感じてないなら遊びに来たいなんて言わないでしょ?」


「そう言われるとそうかもしれないけど・・・」


「それならちょっと問題かもね」

「でも来ていいよって言っちゃったんでしょ?」


「うん・・・」

「じゃ〜しょうがないじゃん・・・」

「その子が来てみれば分かるよ・・・好彦に気があるかどうか」

「心配いらないからね、私ヒステリックになったりパニクったりしないから」


「なんせ300年生きてるから・・・こう言うパターン慣れてるの」

「だからその子、連れてきていいよ」


そして会社が休みのある日、好彦のマンションを三好 沙也加みよし さやかが訪ねて来た。


「こんにちは?」


「いらっしゃい・・・どうそ上がって」


「お邪魔します」


沙也加はリビングまで来て、すぐにキッチンにいるルシエルに気づいた。

そして言った。


「あ、こんにちは、お邪魔します、はじめまして三好 沙也加みよし さやかです」


「いらっしゃい・・・ルシエルです」


「天野さん・・・あの方、外人さん?・・・」


「外人って言うか、なんて言うか・・・そうだね、みたいだね」


(天使だなんて言ったって信じてもらえないだろうからな)


「もしかして天野さんの彼女さん?」


「え?・・・ああ、まあ」


「お綺麗な方ね」


「あはは・・・ルシエルのこと前もって言っとけばよかったかな?」


「う〜〜ん・・・大丈夫驚かないから・・・」

「いいですね・・・天野さんに恋人がいて一安心かな?」

「ひとりぼっちで寂しく暮らしてるのかなって思ってたから・・・」


「そんなふうに見えたんだ・・・」


「あ・・・あのさ、こんなこと聞いて気分悪くしないか心配なんだけど・・・

三好さんは僕のことが好き?とかって思ってるから来てくれたとか?」


「あはは・・・私は、ただ会社を辞めちゃう天野さんになにかしてあげた

かっただけです・・・一人で寂しく辞めていくのかなって思って」

「さから何かご馳走でも作ってあげようかなって思って・・・」

「なにかしてあげたかっただけ・・・それだけですよ」


「あ、そうなんだ・・・」


好彦は沙也加が自分に気があるのかと期待してただけに勘違いしてた自分が

めちゃ恥ずかしかった。


「私、彼氏・・・恋人いるんですよ」


「え?そうなの・・・まじで?」


「今日のこともちゃんと言って来てあります」

「それに私たち半年後、結婚する予定なんです」


「そうなんだ・・・あはは、そう・・・結婚・・・そう、おめでとう」


ふたりの会話を聞いていいたルシエル・・・好彦にクチパクで言った。


「ちょっとだけ安心してたかな」って。


そして沙也加に向かって言った。


「お幸せに・・・」


「ありがとうございます・・・」

「彼女さんがいるのに私がでしゃばることなかったですね」

「私、帰りますね・・・天野さんこそお幸せに・・・お邪魔しました」


そう言うと沙也加はふたりに手を振って帰って行った。


本当だったら、一悶着あるかと思った話だけど別にルシエルがヤキモチを

妬くようなことでもなかった。

好彦はなんとなく肩透かしを食らった気分だった。


ルシエルには言えないけど、沙也加にわずかでも心が揺れ動いた情けない自分。

自己嫌悪に陥った・・・そしてなんとなく切なかった。


(そうなんだ僕にはルシエルがいるし・・・もう他に誰も好きにならない)


もしかしたらルシエルはすべて分かってたのかも・・・こんなこと今まで何度も

経験してるのかもしれない。

自分の彼氏にヤキモチなんか妬いてたらキリがないのかも・・・。

って好彦は勝手にそう思った。


ルシエルはそれほど複雑には考えてなかった。

今夜あたり、好彦を添い寝からエッチに持ち込めたらいいな〜て思っていた。


とぅ〜び〜こん乳。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天使が純潔だと思ってたら大間違い・・・本当はめちゃエロいから。 猫野 尻尾 @amanotenshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ