月読む日留呼

月読尊と日留呼(前作では蛭子と表記している)は神話上、影を潜める傾向があり同一性が高く天照大神も又、日留呼そのものだと受け取れる可能性は高い。

先ず前説のように天照大神をイエス・キリストに置き換えて考察してみるとしよう。


ナザレのイエスは自らを神の子と称し、時のローマ皇帝の怒りを買う。民意を反映させた結果イエスの磔刑が執行されることとなる。

ローマ皇帝は手を洗い己の責任を逃れ、イエスはゴルゴタの丘まで自ら十字架を背負い磔られ天から怒りの雷鳴が轟き神の子を処した人々へ万世の罪と畏怖が与えられた。

『新約聖書』による。


イエス・キリストは磔刑の際、両手足に楔を打たれ四肢を損壊しており此の点は蛭子に類似する。その後、血塗れで父なる神の名を呼び息絶えるが母マリアと十二使徒、更にはマグダラのマリアが共にイエスの亡骸を岩の洞窟まで運んだ。此は天岩戸物語を連想させ、死んで尚復活したイエスは、漆黒の衣装を纏い黄泉国を司る月読尊の立場と類似している。

アヴェマリアと十二使徒が日本へ耶蘇教の神として伝えられる。その際マグダラのマリアも共に日本伝来したものと考えて良い。


イエス・キリスト=日留呼=天照大神=月読尊


月と太陽を表裏一体とした系譜が出来上がる。

太陽があるからこそ月は光耀く。

その実、月が夜を照らし黄泉国(冥界)を見張るからこそ、夜明け迄世界の均衡が保たれる。

月のない夜、人々は怯え暮らした。


更にイエス・キリストは男性でありながら長髪であり神話画に描かれた天照大神が一際小さいことから、ヘブライの神の子イエスへの抵抗感を拭いきれていないことが示唆される。異国の神を受け入れる素振りはしてもアメノウズメを一際大きく描いている事実が日本国民の根底には女王信仰が大和魂に強く刻まれていることを暗喩(明示)している。


髪を伸ばし血塗れで四肢は損壊し磔刑という不名誉により生命と祖国を奪われた神の子。

挙句の果てにローマ帝国への反逆者として追われる身となったナザレのイエス。

母や弟子、伴侶であれば煮えきれる訳もなく神の子の教えと救いを他国へ語り継ぎ永遠の絶対神として祀るのも理解及ぶところ。ローマへの怨みを募らせながらイエスと父なる神の教えを幾千年も刻むであろう。


こと、日本での繁栄を願ったに違いない。

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