天変地異とTempest

天と地が入れ替わる現象は起こらないが、今から二千年以上前であれば地形図も僅かに異なっており、一概に淡路島を神降ろしの地と呼べなくなる。

では、地図を逆さにしてみよう。

大陸と本州を挟み海上にぽつんと佐渡島が浮彫りになる。まるで、伊弉諾と伊弉波が産み落とした最初の島を想起させ、『古事記伝』の原点に立ち返らせる。

古い都はどうだろう。

長岡京と長岡の地名が歴史の相似点を辿らせ、諸国に分岐され散らばった大和の地名を手繰り寄せる。本当に最初の国家はだったのか。


愚直な思考のまま論を進めれば必ずぶつかる壁


其が天孫降臨に纏わる神話及び伝記の重複である。何度も何度も主人公と名前を入れ換え、此の国の創建と最高神、国を治めた権威の物語が綴られる謎。未来の日本人の精神に刻むよう、忘却されることを恐れ過ぎている懸念がある。


“異教ではない我が国の歴史”


絶やしてはならない、絶やすことの赦されざる日本人の原罪。三千年以上前に遺された布石。

戦争でも、領土でもない。

他国の神と皇帝を受け入れた理由が唯一ある。


“文字と思想を持たぬ文明なき国”

“狩猟と採集に従事する名もなき民”


此は縄文時代(牽いては石器時代)まで遡るが、家族や親戚一同で小さな集落を造り、狩猟の為に他集落と協力して大きな獲物を狩るという習性を維持した日本だからこそ出来たのである。


通常、文明を持つ国々では皇帝や王族、神官と平民さらに奴隷や捕虜まで身分制度が細かい。紀元前から領土侵略戦争に加え、巨大建造物に暦の編纂、物理学や天文学、数学の発展から碑文等の文書に至るまで、自国の文明を代表する記述や記録が所狭しと並んでいる。


ところが、我が国日本において巨大建造物と言えば出雲大社。伝記神話の文書類は奈良時代。他文明との間に3000年もの格差が生じる。

是等を踏まえて推測すると、日本で火を焚き神を祈る古代政権も他文明の真似事に過ぎない。

女王が神の啓示を受け、政治を司る。

大陸文明の煽りを受け影響されること甚だしく独自文化オリジナルと錯覚したのだろう。

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