終わり
少女は、ぱっと
そこには、夏の雲が立ち昇る青空が広がっていた。
重い体を起こして、周囲をキョロキョロ見渡すと、太陽の光を受けて窓がキラキラと光る校舎と、黒縁の時計、砂が風に舞う校庭を見つけ、ここが、よく知る学校の屋上であると気が付いた。
3日ぶりに見る青空、手元には、手帳が握られていた。
そこには「せっかく」書いたパパママや、親友ちゃん、先生へのメッセージが、薄い黒色の文字で書かれていた。
――箱の束縛から逃れた少女は、
――ここは地球だが、キセキの【青い監獄】なのかもしれないと、思った。
白髪の少女は、鈴の音のような美しい声を喉から絞り出して、はっきりと言った。
「死ななかった……」
少女は、とてつもなく恐ろしげに顔を歪ませながら、入道雲迫る大空へと踏み出した。
3日後に死ぬ少女 ―完―
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