第9話 sludge


ははは...ははは!!!!!

私はそう思いながらお兄ちゃんの背中を流す。

どうあれお兄ちゃんは私のもの。

だから他の人に奪われるぐらいなら今この場で全てを曝け出してやる。

かなり小っ恥ずかしいけどそんな事は言ってられない。


このままではあの女にお兄ちゃんが盗られる。


それなら今この場で私はお兄ちゃんを襲い。

そしてお兄ちゃんのものになってやる。

そう思いながら私はお兄ちゃんの背中合わせになる。

心臓の鼓動が伝わってしまっているだろうけど。


「...オイ。星空。俺は、も、もう上がるぞ。マジに。このままでは」

「それは私が嫌だから?」

「嫌とかそんな次元じゃない。無理なんだよ。色々と」

「それは理性的に無理?」

「そうだ...ってか分かっているならもう上がる」

「逃さないって言ったよね。私。...そもそも私、お兄ちゃんとやる為にこの場所に居るし」

「冗談でもよせ。無理だ」


そしてお兄ちゃんは私から逃れる様に素早く上がる。

そんなお兄ちゃんの唇に唇を重ねた。

それからそのまま沈ませる。


「...」

「おま!ぐ!」

「あくまで私は逃さないって言った」

「...くぅ!」


慌てながらお兄ちゃんは暴れる。

私はその姿にますますヤバい気分になる。

それから私はお兄ちゃんを見る。

するとお兄ちゃんは体勢を変えた。

そうしてから身体を捻る様にしてそのまま脱出。

そして逃げて行った。


「...チッ。お兄ちゃんの根性無しめ」


私は思いながら逃げられた事を悔やみながら暫く湯船に浸かっていた。

それから私は少しだけしてから起き上がる。

そして湯船を抜いてお風呂場を洗ってからそのまま表に出る。

下半身がぬるっとした。



「お兄ちゃん」

「...な、何でしょう」

「敬語使わなくて良いよ」

「...あ、ああ。...何だ」

「私が嫌いかな。お兄ちゃんは」


単刀直入に聞いた。

するとお兄ちゃんは考え込む。

それから顔を上げた。


「俺はお前が怖いんじゃない。だけど...恐れている」

「...?...何に?」

「お前と関係性を持ったら全てが壊れそうな気がするのもあるから」

「...そう。...まあそう言うなら今は止めておくよ。...だけど楓さんに接触したらいつでもお兄ちゃんを寝取るから」

「お、おう」


大和楓はかなりの脅威だ。

私はそう思いながら考え込む。

それから私は胸に手を添えてからお兄ちゃんを見る。

お兄ちゃんは?を浮かべて私を見る。


「大和楓に接する度にお兄ちゃんには私とキスをしてもらいます」

「...ふぁ?!」

「大人のキスをしてもらいますよ。...それで良いかな」

「...わ、分かった」

「それで良し。アハハ」


それから私は満面の笑顔になる。

だけど正直言ってこれでは抑制が足りない。

さてどうするか。

このままではお兄ちゃんは大和楓に乗っ取られるのも時間の問題。


「...お兄ちゃんは大和楓が好きなの?」

「...言っている通りだが俺は誰も好きにならない。...何故なら朧に裏切られたからな」

「...そう。まあ念の為にまだまだ監視するけど」

「そこまでして俺を奪いたいのか」

「そうだねぇ。...私はお兄ちゃんに救われた。そしてお兄ちゃんを大好きになったから」

「...こんな俺なんかを好きになって...どうするんだ」

「こんな俺だから、だよ。だから私はお兄ちゃんが好き」


そして私はお兄ちゃんの頭に手を添える。

それから私は笑みを浮かべた。

そうなると倒すべき敵は...大和楓だ。

そう思いながら私は暇潰しにSNSを開く。


「...なあ。星空」

「...うん?何でしょう?」

「お前の恋心は本物として。アイツを倒すのか。...大和楓を」

「...あの女の子は危険だよ。お兄ちゃん。私はヤバい気配を感じる」

「...そうか」

「うん。だから倒す」

「...しかし...」

「お兄ちゃんも知ったでしょ。本性を。あれが女子ってもんですよ」


そう言いながら私はまたSNSを見る。

それからツイートを見ているとお兄ちゃんが立ち上がった。

そして私に向いてくる。


「何か飲むか?」

「うん。...じゃあお茶を」

「...そうか。分かった」


そして私は冷たいお茶を貰う。

それからそれを飲んでから私は目を==にして和む。

すると目の前にお兄ちゃんが腰掛けた。


「...楓を...止める事は出来ないか?仮にもアイツは...俺の友人だから」

「止めるとか悠長な。...それは出来ないよ。私はアレが襲ってきたら倒す気だし」

「...そうか」

「お兄ちゃんは甘すぎるよ」

「そうだな。...分かった」


それから私はお茶をまた飲む。

そしてそのまま翌日になる。

すると目の前に何故か...皆富朧が現れた。

彼女は私達を見ながら子犬の様な目を向ける。

怯えている様な目を。


そしてこう言い放った。

それは...信じがたいものだった。


「...私は行動の全てが悪になる様に洗脳されている。...大和楓という女子に頭の中を洗脳された」


その様に言い放ち。

そのまま涙を浮かべて泣き始めた。

大体は...予想通りだったが。

改めて聞くととんでもない事実だった。

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