友達だよね。
目が覚めてスマホを確認するとりんからの連絡が目に入った。
「結局なんて言えばいいか分かんないや…。」
とりあえず支度をしてバス停に歩いていく。
バス停に着いて待ってるとすぐにバスが来て乗り込むと、窓の外を見てこっちを見ようとしないりんがいた。
「…だよね。私から無視したんだもん。」
私の嫉妬で話せなくなるのは嫌でスマホを開いてりんに連絡してみる。
『りん。ごめん。私が悪くて…私以外にも友達いるんじゃん…って思って拗ねた…。』
『え、それで無視されてたの?悲しいんだけど…。』
『ほんとにごめん。』
『んーそうだなぁ…』
「じゃあ今日はいつも以上にくっつかせて?」
急に耳元で喋られてびっくりして振り返るとあと数センチでぶつかるところだった。
「近いってば。」
「えー寂しかったのになぁ。そういう事言うんだ。」
「…わかったよ。」
バス停に着くまで後ろから抱きつかれて学校でも授業が始まったら離れて終わったらすぐにくっつきにくる。
邪魔ではあるけど嬉しかった。
ずっと後ろから抱きしめられて顔が見えなかったから膝に座るか聞いたら座ると即答された。
「…ねぇこれ逆じゃない?」
「あぁ確かにじゃあ真ちゃんが座って。」
りんの上に座ると運動しているからか少しガッチリしていて包まれるような感覚だった。
「めっちゃ落ち着くわこれ、フィット感が。」
なんか失礼に感じたけど置いておいてチャイムがなるまでこのままでいた。
放課後はりんが部活に行くから一人で帰って連絡があればゲームしたりする。
今日は何も来なくて一人でゲームして寝た。
もう慣れたメイクをして家を出る。
バスに乗り込むと笑顔で待っているりんがいてそのとなりが定位置になっている。
学校では何人か共通の友達が出来てりんの部活が休みの日に出かけたりしている。
でもりんも私も他の人に抱きついたりしない。
私の場合はそもそも距離感が近いわけではないから当たり前なのかも知れないけど、りんは距離感がすごく近いから私以外にやらない理由か何かあるのか気になっている。
「りんーそういえば何だけど他の人には今みたいに抱きついたりしてないじゃん。なんで私だけ?」
「んー…好きだから?」
「なんで疑問形なのさ。」
「あ、でも付き合いたいとかじゃなくて可愛いから。最初はさ、距離あったくせに今じゃ私が早退とかしたら次の日ベッタリじゃん?あとはこんだけべたべたしてるとさ嫌がられること多いんだけどかまってくれるから嬉しくて…ってなんでそんなに顔赤くなってんの?」
「なんでもないから!」
「まぁなんでもいいけどさ。今さっきの答えにするなら真ちゃんがいいから…かな。」
なんでこうもさらっと言ってくるんだ。
言葉にされると恥ずかしくて顔を見られたくなかったからりんのお腹らへんに顔を押し付ける。
「くすぐったいってば、はい立って!」
大人しく従うとりんが膝を叩いて座れって言ってくる。
これって結局りんがやりたいだけだよなぁ。
でもまぁ嫌じゃないし一緒にいる間は付き合ってあげよう。
距離感が近めな女の子 緋月 羚 @Akatuki_rei
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