第6話

ん……懐かしい。そうね私は、嘘つきだった?居酒屋にだって二人で行ったわね……

「もっと食べなよ」彼の優しくふとい声。

「ん~もう、お腹いっぱいよ、残りは食べて」

そうよ、私が美味しいと感じるものは、あなたに少しでも食して欲しかったのよ。わざと残すのよ。あなたの、お財布の中身が少しなのは毎度様だったから、お腹いっぱい、ご馳走になったことなんて一度もなかったわ。私も、沢山のお金無かったから……同じよね。

それにしても、眩しい太陽、アリが地面を歩いているけど、大丈夫?熱くないの?と、思わず声をかける。

「ごちそうさまでした」一人静かな昼食は終わりね。さてさて帰らないと、彼が待っているから……また太陽と歩いて行こうかしら。

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