Side.B もし、僕が

 君は知らないよね。

 優しく握ってくれている手が僕を熱で浮かせているってことを。

 デート中に見せてくれる君の笑顔は優しくて温かみのあるとても素敵な笑顔で、君を見てると僕も思わずつられて笑ってしまうんだ。

 でも、大丈夫。この気持ちはバレてない。


 あなたに「好きだよ」って言われると心が踊るけど、その後の「友達として」は胸がチクリと痛むな。

 君には「友達として」じゃない“ちゃんと”好きな相手がいるのかな?

 我儘かもしれないけど、そうだったら嫌だな。


 君といると僕は自分を隠さなくてすむんだ。

 君が聞かせてくれる話はどれも面白くて、君は愛されてきたって事がよくわかったよ。

 だから、別け隔てなく愛を分けてくれる君を僕は信用してみようと思ったんだ。

 最初は君が離れてしまいそうで怖かったけど、君は僕の悩みも痛みもエゴもそのままの受け止めてくれたよね。

 

 泣いた僕を支える君は、闇夜をそっと包む月の光みたいな存在だ。

 僕の隣で何も言わずに僕の言葉を待ってくれたよね。

 その優しくも温かい想いに、僕は何度救われただろうか。


 君が笑うとどんな小さな事も花が咲いたような楽しさがあったな。

 それに、君と過ごす時間は僕に沢山のものをくれた。

 僕はその1/10でも君に返せていただろうか?


 君は人に愛される才能があるから、きっと、僕なんか居なくても大丈夫なんだろうな。


 でも、僕には君が必要なんだ。


 だから、傲慢で図々しいのはわかってるけど、僕の我儘であっても、ただの思い込みであっても、君の「友達として」の好きを信じて、君の隣に居続けるとしよう。


 ただ、この関係を壊す事だけは無いように、絶対に君には気づかれてはいけないから、デート終わりに必ず君に言う事にしている。


「もし、僕が男だったら君と付き合ってた」ってね。

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この気持ちはバレてない umi @umi3

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