第24話
さっき柿の木から助けてくれた彼らが、一瞬頭によぎって。彼らも主人公と同じ、最初は助けてくれたと思ったのに、やはり私は邪魔者でしかないのでしょう。
しばらく走ったところに、商店街のようなアーケードがあって、急いで駆け込みます。
でもなぜかほとんどのお店が閉まっていて、真っ暗なお店のショーウィンドウにふと自分の姿が映りました。
額には血が滲んでいて、足にも制服にも擦ったような傷がそこらじゅうについていて。髪の毛からは雨の雫がとめどなく滴り落ち、靴下もべちゃべちゃになっています。
鞄も持っていないし、お財布もケータイも当然ポケットには入っていません。
お腹も空いてきたし、どうしたものかと周りを見渡せば、どこから毛が生えているのかわからないくらい、顔中毛だらけのオジサン?らしき人がこちらをじーっと見ています。
春だというのに、分厚いツギハギだらけのコートを着ていて、でもサンダルを履いているその人は、こっちにゆっくりと近付いてきます。
「···な、なかまー···」
「···え?」
「な、なかま···。女の仲間、見つけたー···」
その笑った口には、歯がほとんど生えていません。な、何なのでしょう。。2足歩行なので、人間、だとは思うのですが···初めて目にする生物です。
「あ、あの、あなたは、」
「わ、わ"れ"についといでー···、いっしょにあそぼー···」
ついていけば、お茶ぐらい出してもらうことはできるのでしょうか?今の私には、この謎の生物以外、頼る者がいません。
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