第13話

何今の顔。



「その制服···、まさか、至極しごく学園の制服か?」


「あ、はい!あの、ここは、至極学園ではないのですか?」


「てかお前、年は?···名前は?」


「はい、3年生の山元織羽と申します。」


 

 名前を聞いた瞬間、藍が若干後ろにのけ反り天を仰ぐ。


 戻ってこい。



「ま、マジか···」



 定位置に戻ってきた藍が、目を泳がせ、ぶつぶつと「ウソだろ」だの「でも身長もこんなもんだし」と呟いている。



 至極学園?聞いたこともない学校だ。てか何?何で藍はその制服知ってるの??もしかして昔の女の中に、同じ制服の女がいたとか?



「さすが藍、よく知ってるね。もっと年上が好みかと思ってたけど、制服の女もまだまだいける口なんだ。」



 ふっと鼻で笑いながら言ってやれば、ヒヤリと何かが自分の頬に当たる。



「お"い"。黙れ。」



 藍が僕の頬に折り畳みナイフの側面をつけている。



 あ"?



 悪いけどさすがの僕でも魔王にキレることだってあるからね?



「藍···何なのさっきから。散々お前の尻拭いしてやってんのは誰か分かってんの。」



 腹の底から自然とドス黒い濁声が湧き上がる。



「てめえこそ処女臭ぇ女ばっか選びやがって、ざけんなよ。」



 チッ。うるさい。まさかうちのトップとやり合うなんて思いもしなかった。



「どけ」



 彼女の肩を押し、横に追いやるも、彼女が落ち着いた様子でなだめ始めた。

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