第3話

ずっと××さんは私のことを好きだと思っていたのに、今あそこで彼に告白されるのは、おこがましくも私だとばかり思っていたのに。



 そう思ってきたのは今回で何千回、いえ何万回となるのでしょう?



 こんな実らない想いにも慣れてしまって、なんてこともなく、私は一人そっと涙を流しました。



 私の名前は山元織羽やまもとおるは。17歳高校3年生。家族は母と、上京している兄が1人います。


 父はいなくとも、その兄に可愛がってきてもらったお陰か、おっとりとした母性キャラというのが私の位置づけです。



 プレイヤーである男性主人公は高校2年生という設定ですから、私は少しお姉さんになります。



 何でも快く、優しく受け入れてしまう私の性格が、周りのキャラに埋もれてしまえば掠れて見えてしまうようで、最初はプレイヤーさんととてもいい雰囲気で過ごしていても、必ず最後には違う女性キャラが選ばれてしまうという辛い現状なのです。

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