第3話
騎士団長であるクリストは鬱屈を抱く。
宝塔に棲む
宝遺物を回収すれば、後は唯の建物となる。
殆どの住民にとって、宝塔は住処だ。
それ以外の場所に建物を建てる事は難しい。
根本から生えた宝塔だからこそ、寝食するのに安心感を覚える。
宝塔一つで多くの人間が暮らせる建物。
それを贅沢に一つ、騎士団長の領地として持つクリスト。
階層毎に役割を与え、自身が受け持つ騎士団の住処でもあった。
(そろそろだなぁ)
クリストは椅子に座りながら考える。
行儀悪く、足を机の上に乗せて、頭を抱える様に、だ。
(きっと、リゼッタは俺に惚れている)
十分に彼女と接触した。
そして彼女が自分の事を狂信的なまでに好意を抱いている事が分かる。
彼女との馴れ初めは宝塔の中だ。
一分、スラム街と化した宝塔では立ち退きをする呼び掛けが行われる。
多くの子供達は捕らえた末に、宝塔から投げ捨てて処分をするのだが。
一際、異彩を放つリゼッタに眼を付けたクリスト。
容姿端麗さから、彼女をギルドに加入させる事に決めたのだ。
(まさか、あそこまで尻と胸がデカくなるとは思わなかったけど)
彼女が歩く度に豊満な体が上下に揺れる様を思い出す。
自分が誘えば彼女は自らの体を差し出すだろう。
しかし、クリストは、彼女に手を出す気は無かった。
何故ならば、彼女はあくまでもキープと言う存在だからだ。
クリストは、美形である。
彼の顔に惹かれて騎士団に入った女性は多く居る。
(胸のデカいアシュリーも、どんな所も舐めてくれるフィルビアも今は不在)
彼は多くの女性騎士と関係を持っていた。
彼が保有する騎士団のメンバーの上位陣は、女性騎士で構築されている。
所謂、クリストだけのハーレムであった。
(口の煩いナターシャも居ないし…うん、食べごろだな)
今まで育てて来た存在。
リゼッタの事を想像して期待に胸を膨らませる。
彼女が自分の股で喘ぐ様を想定し、思わず笑みを綻ばせた。
(この世界では、俺こそが主役だ)
全て上手く言っている。
自分と言う存在が神に選ばれた者だと、クリストは信じて疑わなかった。
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