第22話
夕方、翔人を保育園に迎えに行きそのまま家に帰宅。
帰り道機嫌良く歌を歌っていたかと思えば、家に着くなり乱暴に靴を脱ぎ捨て一直線におもちゃ箱へ…どこで覚えたのかは知らないが、最近はSTARWARSで使用されるライトセーバーにハマっているらしく、スイッチの入った懐中電灯に赤い紙を巻き付け振り回している。
聞いた所どうやらダースベイダーがお気に入りらしい。
「ママー、ライトセーバー欲しい」
おもちゃ屋さんで売っているのは気に入らないらしく、出来るだけ本物に近い物が欲しいようで前に一度だけ調べた事がある。
グレードによって値段も変わるようなのだが、翔人が気に入ったライトセーバーは2万円もしていた。
流石にまだ5才になる子供には贅沢すぎる……
『もっとおおきくなったらね』
「え〜っ!いつ〜〜っ?」
これ以上機嫌を損ねられるのは面倒なので、今日聖也と話していた事を伝える事に…
「お出かけっ!?」
『どこかいきたいところある?』
「水族館がいい!!」
保育園で仲の良い友達が水族館に行ったようで、その話を聞いた翔人は自分も行きたいと思ったそうだ。
カリフォルニアのディズニーランドにあるSTARWARSのエリアがいいだなんて言われなくてよかったと一安心…
「ママと僕とその人の3人で行くの?」
『そうよ。はやとがこけたときにたすけてくれたひとなんだけどおぼえてる?』
「うんっ!あの時のおじさんでしょ?」
もうすっかり忘れているかと思っていたが、意外にも翔人は聖也を覚えていた。
「あのフワフワのもおじさんがくれたの?」
『どうしてわかるの?』
「おじさんと同じ匂いがしたから。ママとお友達なの?」
『そんなかんじかな?』
「僕とも仲良くしてくれる?」
『やさしいひとだからだいじょうぶよ』
よかったと安心し、まりあのバッグからブランケットを取り出すと遊びを再開した。
何をするのかと思えば、ブランケットを首の前で結び手作りのライトセーバーを片手に…
「見てーっ!ダースベイダー」
楽しそうにはしゃぐ翔人の姿をこっそり撮影し、聖也にLINEを送った。
まりあ:今日お話していた件ですが、翔人は水族館に行きたいそうです𓆡𓆜𓇼𓈒
すごく楽しみみたいですよ😝💚💛
LINEを送信してすぐのタイミングでインターホンが鳴ったため、まりあは携帯を置き玄関へ向かった。
数日前に翔人の服を注文していたので恐らくそれが届いたのだろう。
だがそんな彼女の様子を翔人は遊びながらこっそり伺っていた……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます