第20話

その夜、聖也は家にいても常に携帯を気にし、音がなる度に何度も画面をチェックした。

しかし表示されるのはまりあの名前ではなく、全く関係のない人物ばかり…中には例の女の表示もあったが彼は完全にスルー。

そろそろ本気で彼女との関係を切ろうと考えている。




「…きたっ!」




午後8時過ぎ…再び音が鳴ったと思い携帯を見ると、そこには待ちに待っていたまりあの名が…




まりあ:今日はありがとうございました☺️☺️

プレゼントも嬉しかったです🎁✨

大切に使いますね💖





メッセージと一緒に、あのコンパクトミラーと一緒に映るまりあの写真も送られてきた。

写真は恐らく息子の翔人が撮った物だろう…若干のブレはあるものの、ピントはまりあに合わせたようだ。

痺れを切らして自分からLINEをしようとしていたタイミングだったので、聖也の喜びは最高潮に…普段クールな彼からは想像もつかないような笑顔で赤いソファーにダイブした。

写真にまりあが写りこんでいたのと、ハートの絵文字が使われていたので余計に嬉しかったのだろう。




如月:こちらこそありがとう😎✋

そう言ってもらえると嬉しいよ👅





他にも色々言いたい事はあったがとりあえずここはクールに振舞った。

たったこれだけの文面だが、何と送るのがいいのか…自分から急にハートの絵文字を送るのはまずいのではないか…など、聖也は返信にかなり時間がかかってしまった。




まりあ:ブランケットもありがとうございます🙇‍♀️

今翔人が嬉しそうにして走ってます😅💦





勇気を振り絞って自分からLINEをしたものの、何か気恥ずかしくなったまりあ。

絵文字は普段からよく使っているが、いきなりハートはやりすぎたのではないかと少し反省…しばらくして聖也からの返信があり、再び携帯を開くと彼女の顔に笑みがこぼれた。

話している時とは違う穏やかな口調と絵文字を使ってきた事のギャップ…何か返信しなければと思い、とっさに翔人の話題を盛り込んだ。




如月:元気すぎ💪

5才ってことは保育園?👦🏻📛




そうですよ👩‍👦:まりあ



如月:伝えて

良い子は寝なさい🥱💤




わかりました😪💭💓:まりあ





嬉しそうに携帯に向かい合う聖也とまりあ…この2人のやり取りはしばらく続きそうだ。

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