第2話

さっきみのりが言ってたみたいに、周りは私の彼氏や私達の関係を羨ましいと言うけど、実際はそんなにキラキラしたようなものじゃない。

今の彼氏、涼介りょうすけと知り合ったのは約半年前。

中学まで一緒だった友人に合コンに誘われたのがきっかけだ。

初めは断ろうと思ってたけど、その友達がどうしても行きたいって言うし、まぁ仕方なく参加したってところかな?

知らない輪の中に1人でいるのも気まづいっていう気持ちもわからなくもないし…



そんな感じで参加した合コンだったけど、私はその場にいた涼介と見事に意気投合。

連絡先を交換して、その日は彼の家にお持ち帰り…

顔もそんなに悪くないし、気さくで良い人だったから、私もその時のノリで着いて行ったんだけどね。

それに相手は大学生だし、付き合い方もこんなものかって勝手に納得してた。

だけどそれが間違いだった…




「だからっ、ただのクラスメイトだってば!」




付き合い始めは優しくて、一緒にいる時間もすごく楽しかったのに、段々涼介が本性を現し始めたのだ。




「ただのクラスメイトなら、そんなに電話する必要ないだろ?」


「テスト範囲を教えてくれって頼まれたんだよっ。そいつ、その時たまたま怪我で病院に行ってて、学校休んでたしさぁ…教科も範囲も多いから、長電話になるのは当たり前だろっ?涼介も学生なら、そのぐらい理解してよ」


「だからって、わざわざ彼氏のいるお前に電話してくるか?!普通。そいつもだけど、それにのうのうと応じてるお前もマジで有り得ねぇよ」


「彼氏がいるだのいないだの、そんな事テストには関係ないだろっ?それに、さっきから有り得ない事ばっか言ってるのはそっちだから。涼介の言い分はめちゃくちゃだよっ」


「はぁっ?!俺のどこがおかしいんだよっ?ったく、これだから高校生は…ここが弱くてうんざりだ」




訳の分からない言い分を並べては、こうして私を責め立てるようになった。

そう、涼介は束縛と嫉妬の激しい男だったのだ。

私がLINEで誰とやり取りしているか把握したがるし、毎回携帯をチェックされる。

酷い時は、私がお風呂に入ってる隙に勝手に携帯を拝借…

トーク履歴を見て、自分が気に入らないものがあれば私に文句を並べ、その場で相手のLINEを削除するように強要。

自分は平気で他の女とLINEしたり遊びに行ったりするくせに…

私はそんな涼介の言動にうんざりしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る