白衣を着た悪魔
第1話
「
「あぁ、ごめん…さっき授業の間に彼氏から連絡来てたみたいでさぁ…」
「また呼び出しー?」
「だね…」
「んー…なら仕方ないか。てか真愛の彼氏って20歳の大学生なんでしょ?」
「そうだけど?」
「いいなー、彼氏が年上の大学生ってだけで憧れるのに、こうやってちょくちょく時間作って会ってくれるんでしょ?羨ましいー」
「あぁ…みのりの彼氏は部活で忙しいもんね?」
「そうなんだよ…もうすぐ大会だからみんな熱が入っちゃっててさー…けど、いくら寂しいからってキャプテンに部活サボらせるのはちょっと有り得なくない?だから今は我慢してんの」
「そっか、みのりはえらいよ。それに、私からすれば2人のほうがよっぽど羨ましいよ」
「…どうして?」
「上手く言えないけど、なんか青春してるって感じでいいじゃん?なんだかんだ言ってみのりも楽しそうにしてるし…私らなんて全然憧れるようなもんでもないよ?」
「それは真愛が贅沢なだけ」
「そんなもんかなぁ?」
「そうだよー。こうやってマメに連絡くれる彼氏って中々いないじゃん?真愛が大事にされてるって証拠だよ」
「大事にねぇ……」
「ほらっ、私にかまってないで彼氏の所に行った行った。私は保健室で暇つぶししてくるから」
「保健室?」
「あぁそっか、真愛はこの前サボってたから知らないのか…なんかね、うちに新しい養護教諭が来たとかなんとかで、この前紹介があったんだー」
「へぇ、そうなんだ」
「でね、その養護教諭がちょーイケメンらしくて、最近保健室が女子の溜まり場になってるらしいの」
「はぁ?なにそれ…」
「だから私もそれに便乗して、その養護教諭が本当にイケメンなのかどうか確かめてこようって思ったわけ。あっ、真愛にも写メ送るね」
「教師の写メなんていらないよ…」
「まぁいいからいいから。ほら早く行こ?いつまでも彼氏待たせるなんて良くないよ?私も保健室が混む前に行きたいしさ」
「はいはい…」
そんな女子高生らしいくだらない会話をして、私達は教室を出た。
言っていた通りみのりはそのまま保健室へ向かい、私は下駄箱で上靴からローファーに履き替え、そのまま学校を後にした。
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