第35話
署に戻りここ数年の事件を調べたけど、顔が切り刻まれて殺害された事件は見つからなかった。
やっぱりあいつのデタラメか?
…そういえば海外って言ってたな。
試しにそれらしいワードを入力し調べてみると
「ん?」
興味深い記事が目に付いた。
それはアメリカで起きた警察官の集団失踪事件。
記事によると、何の共通点もない男女の警官が1日で6名失踪したことがわかり、当時マスコミにも情報を漏らさず極秘に捜査を進めていた。
だが1週間後、その警察署に失踪した6人の遺体が届けられそれにより世間にも事件が発覚したというもの。
遺体の顔は必要以上に切り刻まれており、当初は殺してから顔を切り付けたと見ていたが詳しく調べると、生きている状態で顔を切り付けその後心臓を1突きにされたということが新たにわかった。
だが犯人も動機も一切不明で未だ解決には至っていない…
そういえば聞いたことあるな、こんな事件。
確か…俺がまだ刑事になったばかりの頃か?
その後もこの街では度々顔を切り付けられた遺体が見つかり、市民の中には悪さをすると顔を切られ殺されるという言葉さえ広まり、活気づいていた街は一瞬にして静まり返ったという。
犯人が男なのか女なのかもわからず、いつ自分が狙われるかわからないという恐怖から次第に誰もその事件を口にしなくなった…
本当にこんなことが?もし本当なら日本でも同じことが起ころうとしているのか?
「いや、もう始まってる…」
だとしたら他にも顔を切り刻まれた遺体があるってことか?あいつの言ってた連絡の取れなくなった仲間……
「まさかな」
嫌な予感がしつつも彼は捜査を続けた。
ずっと気になっていた免許証は、その後の調べでいずれも失踪届が出されている人物のものだということがわかった。
恐らく同じ背格好の人物を選び身元を偽装しようとした…もうマスコミには行方不明者の遺体だと発表されたが本当は違う。
なら彼らはどこに…?まさかこれも?失踪した日がバラバラなのは発覚を遅らせるため?
「なんて奴だ…」
随分前から計画して1人で実行している…発覚を遅らせるどころかこれじゃあ誰も気付かない。
わかっているのは犯人が男ということだけ…どう対処すればいいんだ、こんな奴…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます