第34話
買い物も終わり帰宅し、早々キッチンに立つ私。
楽しみにしていたたい焼きを彼がほとんど食べてしまい、結局1つしか食べられなかったからだ。
彼のことだ、絶対わざとそうしたに決まってる。
ムカついたけどお金いっぱい出してくれたから許すことにした。
*続いてのニュースです。昨日未明、〇〇組に所属する関係者4名が逮捕されました。逮捕された4名はそれぞれ鋭利な刃物や拳銃を所持していたそうです。*
キッチンにまで届いたニュースはまだ序章にすぎない…今後彼女達の運命が大きく変わることになるなんて今はまだ誰も知らない。
ある1人を除いては……
*警察によると、今回逮捕された4名も取調べでは黙秘を続けており動機は今だにわかっていないもようです。*
「ほんと物騒ねぇ」
おじさんが言ってたのってこのことかしら?
場所も随分近いし…ってことはあの辺は今警察が大勢いるって考えたほうがよさそうね。
「ほぉら、街にもいたろ?こういう連中」
「だね……これ、あなたに関係ないわよね?」
「前にも言わなかったか?知らないほうがいいこともある」
「ちょっと…!?」
いても経ってもいられず、キッチンをあとにして彼に駆け寄った。
最近何かおかしいって薄々思ってたけど…
「ねぇ、どうしちゃったのよ?最近なにか変よ?急に怪我して帰って来たりして…もしかしてまた……」
「shi…Say nothing.」
また…殺ってるのね……
どうして?
そんな様子最近一切なかったじゃない…
「何が起きてるの?……私のことと関係ある?」
「これからもっとおもしろくなるし、お前と関係ないと言えば…まぁ嘘になるなぁ」
「……そう」
不安なのを察したのだろう、私の手を優しく握ってくれた。
…彼を失いたくない。
「お前は普通にしていればいい」
「……無理よ。またこんな酷い目にあって帰って来るんでしょ?それに…帰って来ない可能性だって…」
「そんなことはない…無傷で帰ってくる保証はないけどな。もう少しなんだhoney…これが終われば次の段階に入れる。今度はず〜っと一緒だ」
もう少しで普通の生活が出来るということだと解釈したが、果たしてそれは本当なのだろうか?
彼が思い描く理想とは一体何なのか?
それは誰にも理解出来ない…それもそのはず、なんたって彼はcrazyなのだから。
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