第28話
捜査を外された俺は、ここのところヤクザばかり取り締まっていた。
理由はわからないが、ある人物を探して暴れまわっているらしい…
「おいっ、痛ぇって!!もう勘弁してくれよぉっ!!」
「だったらこんなもの持ってどこで何するつもりだったんだ?」
まさに今それらしい人物を捉えたところだ。
丁寧に実弾入りの銃まで所持している。
「何だっていいだろっ!?お前らには関係ねぇっ!!それより離してくれよぉ、マジで痛ぇんだって」
「お前が話してくれればな」
「あーーーっ!!!!わかったわかった!しゃべるっ、全部しゃべるからっ……半年前、〇億盗まれた事件があったろ?あんたらがちんたらしてるからなーんにも解決してない事件だ」
「悪かったなぁ、ちんたらしてて」
「だから痛ぇって!最後まで聞けよっ…その金だが、あれは俺らのとこの金だ。大口の仕事が入ってたっぷり稼いですぐに盗まれちまったんだよ」
「……本当か?それ」
「ほんとだって!しかも殺された連中は元々俺らの組の人間だった…まぁ全員裏切り者で後々始末しようとしていたけどな」
あの遺体の身元がヤクザ…?そんな話聞いたことない。
顔を切り刻んだのになぜ免許証を残していくのかずっと疑問だった…まさかあの免許証偽造されたもの……?いや、それなら調べればすぐにわかる。
「けどっ、それが最近妙な噂が流れてきたんだ」
「噂?」
「あぁ、そうだっ。海外のある街を一瞬で恐怖のどんぞこに陥れたそいつは…誰だろうと関係ねぇっ、気に入らない奴や邪魔な奴は容赦なく殺す。そんなイカれた野郎が日本にいるっていう噂だ」
「そいつと今回の件に何の関係がある?」
「一緒なんだよっ!殺しの手口がっ!あの必要以上に顔を切り刻むやり方…噂は本当だったんだ。このままだと俺らもいつ殺られるかわからねぇ」
そんなドラマや映画みたいな話…とても信じられなかった。
本当にそんな奴が存在するのか?
海外でそんな犯行をおかしていたとしても国際指名手配されているはず…
「で?そいつを殺す為にあんな大勢でうろついてたのか?こんな物騒な物まで持って」
「仕方ねぇだろっ!!殺られる前にこっちが殺らねぇと…昨日出歩いてた連中とも連絡がとれねぇし…もうそいつに殺られちまったとしか思えねぇ」
「…どんな奴だ?」
「知りてぇのはこっちだよ!!男だってことはわかっちゃいるけどそれ以外は何も知らねぇ…もちろん顔も居場所もなっ」
得体の知れない謎の男…もしかして俺はそんな奴を相手にしようとしているのか?このヤクザの話が本当なら、ホテルの警官を殺したのもそいつで間違いない。
まさかシャロンもそいつに…!?
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