第26話

あれから半年が過ぎた。

相変わらずシャロンとは連絡がとれない日々が続いた…手がかりはおろか居場所すらつかめていない。

それどころか俺は捜査から外された…



———半年前———



「ちょっと待ってくださいっ!どうしてシャロンが…彼女が容疑者なんですかっ!?」


「犯行がバレそうになったから逃げた。そう考えたほうが辻褄が合う」


「そんなっ…証拠だって何もないじゃないですか!?」


「取り調べではかせれば済む話だ」


「じゃああのストーカーは何だったんですかっ?」


「犯行から逃走まで全て完璧にこなすための自作自演だろう」


「だとしてもあのタイミングで逃げるのは不自然です。まるで自分が犯人だと教えているようなものだ」


「ならあとは捕まえるだけだな」


「だからそれはっ…!もう少し詳しく調べるべきですっ!!」


「その必要はない。神崎、お前を捜査から外すことになった。理由はわかるな?」


「なっ!?……彼女の犯行を認めろってことですか?」


「いいか神崎!!これは命令だっ。大人しく身を引け」



—————————



シャロンがやったなんてありえない。

他の捜査員に確保される前に俺が必ず見つけてみせる。

それにまだ伝えられてないことだって……



「ほんと…どこ行ったんだろうな、シャロン」



出会ったのも突然で別れも突然になるなんて…こんなのアリかよ。

屋上に1人、加えた煙草の煙がゆっくり立ち上る…虚しく、そして悲しみと苦しみ…彼の時間はあの日から止まっていた。

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