第24話

「…ちょっとまって、お金も…盗んだの?」


「あぁ、その金でお前の服や携帯を買った。そこに転がってるダイヤもだ。まぁ買いに行った時にはもう店は閉まってたが金はちゃあんと置いてきた。なんの問題もない」



Oh my god……

まったくなんて人なの?盗みも人殺しも何でも平気でやるなんて。この人私が想像してるよりももっと……



「何だ?」


「…怖くないの?そんなことして」


「怖い?楽しいからやるんだ」



この人……わからない。

しかも常識が全く通用しない。



「…変なの」


「変なのはお互い様だ。俺はイカれてるし、そんな俺と一緒にいるお前もイカれてる。違うか?」


「それはっ…その…」


「人を好きになるのは悪いことじゃない、そうだろ?あんたの愛を受け入れられるのは俺ぐらいだ。わかるか?これは運命なんだ…誰にも変えられやしない。な?」


「そう…なのかな?」


「あぁそうだ。安心しろ、悪いようにはしない」



やっぱりこの人わからない。

犯罪者ってもっとこう…凶悪なイメージがあったけど…彼からはそんなかんじ一切伝わってこない。

……普通に楽しんでる。

子供みたいに目がキラキラしてて、本当は純粋で優しい人なのかな?



「そろそろか…行くぞシャロン」


「行くってどこに?」


「来ればわかる」



別荘?を出ると外はすっかり薄暗くなり、夜になろうとしていた。

色々なことが起こりすぎて時間の感覚がもうめちゃくちゃだ……そんな私をよそに彼はどんどん森を進んで行った。しばらくすると、大きな倉庫のような建物に辿り着いた。

よく訪れる場所なのだろうか?歩きやすいように道はしっかり整備されていた。



「イルミネーションは好きか?」


「えっ?まぁ、嫌いではないけど…」


「ならいい」



またサプライズのつもりかしら?

扉を開けるとイルミネーションが光ってる…なんて展開を想像したが、それも虚しく中は真っ暗だった。



「イルミネーションじゃないの?」


「まぁそう慌てるな」



そう言って彼が照明を付けると、そこにはイルミネーションよりも衝撃的な光景が広がっていた。



「これ…!?」



なんと倉庫いっぱいに大量の札束が積まれていた。

よく見ると日本のお金だけではなく海外の紙幣もいくつか混ざっている…恐らく例の〇億円もこの中に含まれているのだろう。



「全部あなたが?」


「あぁ。アメリカの紙幣もある…懐かしいだろ?」



お札を紙切れのようにヒラヒラさせ、あろうことか何のためらいもなく投げ捨てた。



「あぁ、そうだ…これは追加の分だ」



そう言いながら大きな黒いバッグを開け、中味を大金に向かってばらまいた。

ばらまいていたのはバスルームにあったのと同じ宝石や、豪華なジュエリー。



「hun…これで全部か…よしシャロン、こっちに来い」



私は彼にしたがい横に並んだ。

こんな大金と宝石…それにイルミネーションって?一体なにをする気なの?

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