第11話

あれから数日…あの日以来男が私に接触してくることはなかった。

本当に連絡を待っているのだろうか?

…バカバカしい、そんなのあるはずない。

どうせ私をからかってるだけのタチの悪いストーカーに決まってる。



愛してるんだ



「…ぁぁああっ!!」



それなのに何でっ!何んで消えないのよっ!!

誰があんな奴なんかっ…!!



「……っ」



私には優翔がいる!…って自信を持って言えない。

それをあいつはわかってる。

だから私にあんなことを……何で?

何で何で何でっ!!!!

何で私なの?

何で私ばかりこんな目に合わなくちゃいけないのっ!?

私はただ普通の女の子になりたかっただけ。

他の子みたいにキラキラして楽しい生活を送りたかっただけ…幸せになりたかっただけなの。

……助けて。

ねぇ…



「誰か助けてよっ!!」



優翔…ママ…パパ……何で誰もいないの?ねぇ何で?何で私はいつも1人なの?



\ ♪♪ /


「……」


\ ♪♪ /


「……」


\ ♪♪ /


「……」



ねぇ優翔何で?



「何で出ないのよっ!?」



叩きつけたケータイの画面には大きなヒビが入った。

それはまるで私の心をえぐっているような…とても大きなヒビだった。

私の周りにはもう誰もいない…打ち明けられる人も受け入れてくれる人も誰もいないっ。

ならもうこんなところにいなくてもいいよね?

私がいなくなったって心配する人なんかいないよね?



*速報です。2週間ほど前に起きた例の強盗及び殺人事件ですが、数日前遺体で見つかった犯人の他に5人の仲間がいることが判明しました。そのうちの1人は行方不明で、残りの4人は遺体で見つかりました。なお、殺害方法に至っては……*



事件は静かに新たな展開を迎えていた。

が、しかしシャロンの耳には一切届いていなかった。

それもそのはず…

彼女はもうここにはいない。

シャロンはホテルを抜け出し人混みの中に消えていったのだった。

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