やっぱりゴリ押し

「…響谷くんさ」

「ん?」

「ここ、どうやって抜け出すんだろうね」

「…さぁ、俺も知りたい」

「だよねぇ~」

 永遠にループする階段。というか、ここ地下室とかないのに1階に上がってくるのはなんだかなぁ。

「どうせなら2階でループしてほしかった」

「たしかに、ここ地下室とかないもんね~」

「…で、ここから脱出する方法はないの?」

「そんな都合よく出してくれるとも思わないしなぁ~」

「だよなぁ」

 リンみたいな感じじゃないだろうし…っていうかそもそも感情とかなさそうだし…。

「脱出方法のヒントとか書いてるのは…やっぱり創作の世界だけかぁ…」

 辺りを見渡して、やっぱりというようにそう呟くシズク。

「シズクはこっから出られない?」

「ん~…出られない事は…多分ないだろうけど…」

「けど?」

「私的には…もうちょっとこの状況を楽しんでいたいなぁって思うなぁ」

 …そう…。

「…でも同じ景色だけだと飽きてくるよね~。なんか変化があってくれればいいんだけど」

 アハ体験レベルに微妙な変化があるのかもしれないけど…もうちょっと大きく変わってくれた方が飽きなくて嬉しい。

「…どうする?リンちゃんに相談しに行くって手もあるけど」

「…あぁ~…そうするかなぁ…」

 困った時は頼れって言ってたし。


 という訳で、女子トイレの中。…ナチュラルに女子トイレの中に入ってるのはなんだかなぁ。

「リンちゃ~ん、いる~?」

 扉をノックすると、ギィと軋む音を立てて扉が開く。

「何の用?」

「いや実はさ―――」

 シズクがリンに軽く事情を説明する。

「―――ってことでさ、何か知らない?」

「…あぁ、引っかかったんだあれ」

「その口調だと知ってるみたいだね?」

「知ってる。…というか、ここにいる以上知っておかないとまずいんじゃない?」

「確かに?…まあそれで、教えてもらえるかな?」

「なんで?」

「え?」

「それを教えて、私にメリットはあるの?あなた達にしかメリットが無いように思えるけど」

「リンちゃぁん、キャラを偽るのは良くないなぁ~?」

「…いや…だってメリット———」

「リ・ン・ちゃん?」

 少し圧を掛けるように、シズクがリンの名前を呼ぶ。

「…分かったわよ」

「ありがとリンちゃん。それじゃあ教室にレッツゴー!」

「あぁちょっと引っ張らないで!」

 …一瞬で仲良くなり過ぎじゃないかな…。



「…それで、どうやったら抜け出せるの?」

「簡単、ただ上がり続ければいいわよ。そうしたらどこかのタイミングで2階に行ける」

「…そんなゴリ押して良いんだ」

「えぇ。っていうかゴリ押し以外に方法ないわよ」

「そうなんだ…」

「で、聞きたいのはそれだけ?」

「まあ」

「それじゃあ私戻るから」

「はーい、ありがとねリンちゃん」

 そう言って、教室から出ていくリンを見送った後、俺達はまた階段の方に向かう。


「取り敢えず上り続ければいいんだよね」

「らしいけど」

「それじゃあ行こっか」

「おう」


――――――――

作者's つぶやき:ちょっと短めです…。

いや、あのほんとにネタが思い浮かばない&途方もなく眠く…。

本当にすみません…。

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