第35話 冒険者編 ウラノスファミリー
んん? 監視されてる?
気配察知と魔力探査で周囲を確認すると、確かに物陰からこちらの様子を
気になったので、その気配の一つへ向かって行くと、急に物陰に隠れやがった。 仕方がないので、その隠れている場所まで向かい、要件を伺ってみた。
「何かご用ですかぁ?」
「しっ、あっちへ行け!」
「私の事、ずっと監視してましたよねぇ?」
「なっ、何の事だ?」
「おトボケは禁止でーす♡」
そう言いながら、爪で右足を斬り飛ばしてみた。
「うぎゃぁぁぁ~っ! 俺の足がぁぁぁ~っ!」
「もう一本、いっときますかぁ?」
「わっ、分かった! 追跡した事は認める!」
「どうして付き
「珍しい収納スキル持ちの小娘がいるって聞いたからだ!」
「密輸でもさせるつもりだったんですかぁ?」
「何でも近々、王国軍が大掛かりなヴァンパイア狩りで、軍を起こすらしい。 そこに売れば大金が入るかと思って!」
「ふーん、そうなんだぁ。 やっぱり
「俺は諦める。 俺はウラノスファミリーの構成員なんだ。 だから、命だけは…」
「ダーメ♡ 敵の見方は敵って言うでしょ? だから死んでね」
そう言って、爪で首を撥ねた。 勿論、死体はストレージ行きである。 さて、そうなると他に付き纏っていた連中もコイツの仲間って可能性が高そうだな。
物陰から出て、他の気配の元を探す。 すると、次の目標もアッサリ見つかった。
そちらへご挨拶に向かう。
「おーじさん、おじさんもウラノスファミリーの関係者だったりするの?」
「へっ、カモがネギを背負ってやってきやがったぜ! 俺はツイてる!」
「てい♪」
「ぎゃぁぁぁ~っ! 俺の腕がぁぁぁ~っ!」
「大人しくウラノスファミリーとやらのアジトに案内するなら殺さないよ、多分。 でも言うことを聞かない場合は、もう片方の腕も失う事になりますよ。 で、どうします?」
「わっ、分かった! 案内する!」
簡単な止血をして、先導させて案内を受ける。 残っていた気配も、追跡している様子だった。 本当にアジトに連れていく気があるのだろうかと、少し心配になる。
だが、行く先は繁華街の近くらしい。 本当に何処に向かっているのだろうかと思っていると、一つの奴隷商に到着した。
「もしかして、私の事をバカにしているのかな?」
「いや、違うんだ! この奴隷商がウラノスファミリーのアジトなんだ!」
「ほんとにぃ?」
「嘘は言ってねぇ!」
「あっ、そ。 じゃね、バイバイ♡」
「ぐはっ!」
首を
「ちわーす! 宅急便でーす!」
「お客様、宅急便とは何でございましょうか?」
「冗談だよ、冗談。 それよりも、噂になっている収納スキル持ちの小娘か、王国軍が戦争したがっているヴァンパイアが来たって、ボスに伝えて貰えるかな?」
「ご冗談を」
「今度はホントだよ」
そう言って、ウラノスファミリーの構成員と思われる連中の死体を、ストレージから出してバラ撒いてみた。 すると店員は顔色を変えて、奥にすっ込んで行った。
待つ事、
『鑑定!』
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名前 : アルデンテ・ウラノス
種族 : 人間
性別 : ♂
レベル: 30
体力 : 230
魔力 : 80
筋力 : 30
持久力: 80
賢さ : 50
器用さ: 20
素早さ: 31
攻撃力: 15
防御力: 20
スキル: 詐欺、恐喝、拷問、使役
取得魔術: 奴隷魔術
称号: 『ウラノスファミリー首領』
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強さは、王国兵士程度しかない。 連れている連中も似たり寄ったりのステータスだった。 だが数は20人程いた。
「あんたがウラノスファミリーのボスであっているよね?」
「何の用だ小娘」
「王国軍が戦争したがっているって話を詳しく話すなら、殺さないでおいてあげるよ」
「この人数に勝てるつもりか?」
「雑魚はいくら集めても雑魚だよ。 何なら力ずくで証明してあげようか?」
そう言って、両手の爪を伸ばした。 空気が緊張する。
「本当に、ヴァンパイアなんだな」
「そんな劣等種族じゃないけどね♡」
そんな中、誰かが息を飲む音だけが聞こえた気がした。
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